2007 Fiscal Year Annual Research Report
移動意図と認知環境制約を導入したモビリティの測定とマネジメント手法に関する研究
Project/Area Number |
19560532
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐々木 邦明 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (30242837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西井 和夫 流通科学大学, 情報学部, 教授 (80115906)
石井 信行 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (50262035)
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Keywords | プローブパーソン調査 / 所要時間認知 / 交通まちづくりワークショップ / テキストマイニング / 態度行動変容 |
Research Abstract |
平成19年度に本補助金を利用して実施した研究は,モビリティ測定のためのGPS携帯電話を利用した個人の行動調査と,移動制約の変化を測定するための,ワークショップによる議論の分析である.研究目的であったモビリティ測定機器の開発については,現状で発展の著しいGPS携帯電話による移動認知の測定を行い,その実用性の検証を行った.またモビリティの測定という意味において,被験者に5ケ月間の行動記録をGPS携帯電話で記録することと同時に,トリップの思い出し調査,翌日の予定行動調査も並行して行った.これによって,個人が各移動をどう認識しているのか,また正確な情報を与えたときにどのように認知の変化が起こるかについて分析をおこなった.この研究より,移動時間の認識にはずれがあること,また正確な情報提供により移動時間の認識は解消するが,それには時間遅れが存在することなどを明らかにし,モビリティマネジメントの実施において,情報提供の時間遅れの考慮について知見が得られた. 同時に,環境制約に関する研究として,交通まちづくりワークショップを複数回連続して開催し,その間の意識の変化をアンケートにて測定する一方,各ワークショップでの議論をテキストマイニングを用いて分析し,議論の内容と意識変化の関連性を見た.この研究からは,ワークショップの開催前後ではまちに対する興味や市街地活性化への興味などが増加した一方,公共交通の利用についてはそれほど意識の変化はなかった.テキストマイニングの結果からは,議論では主に街をどうするのかについて話し合われたことも明らかになり,環境制約の測定に対しては,議論の内容があまり合致したものにならなかった.しかし,議論の内容が基本的には意識変化に大きな影響を与えていることが明らかになり,環境制約についての議論に絞った実験が必要であるとの課題が残った.
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