2007 Fiscal Year Annual Research Report
避難者の生活再建実感向上に向けた大震災時における応急的居住環境供給システムの提案
Project/Area Number |
19560617
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
阪田 弘一 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (30252597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 孝夫 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (90107350)
高木 真人 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (10314303)
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Keywords | 震災 / 応急居住 / 生活再建実感 / 移行プロセス / 避難 |
Research Abstract |
1、目的:本年度は,応急的居住環境の供給計画の最適化のために,新潟県中越沖地震における被災者の時系列的な避難行動・意識を調査することにより,避難先の移行プロセスおよび避難者の各避難先に対する満足度の実態把握、そして回答時点での生活再建実感と移行プロセスとの関係を把握することを目的とする。 2、調査の概要:2008年初頭、新潟県中越沖地震で被害の大きかった柏崎市中心部12町でアンケート調査を行った。 3、結果: (1)自宅敷地外への避難先だけをみると、兵庫県南部地震に比べ新潟県中越沖地震の柏崎市では二次避難は10%で,避難次数も減っている。しかし、自宅の車庫や倉庫で避難生活を送る世帯が32世帯(7%)あり,自宅を離れない避難生活を送った被災者も多い。避難所や応急仮設住宅の選択理由も「自宅が近い」の選択が多く,自宅近くに指定避難所や応急仮設住宅を求める傾向が強い。 (2)避難先の移行プロセスをみると、最大で4次の段階を経た全60種の多様なルートがみられた。避難先の満足度は、次の避難先に移行した際に上がる傾向がみられ、個々の状況やニーズに応じ移行を実施していると読み取れる。ただし他の避難先から自宅や応急仮設住宅に落ち着いた際は逆に下がる場合が多く、長期の生活が想定される住居に対しての評価は厳しいものになると考えられる。 (3)移行回数別の生活再建に関わる指標に対する評価では、自宅から一次で応急仮設住宅に移行するより応急仮設住宅に至るまでの移行回数が多いほうが、重要度・満足度とも各指標で若干高くなる傾向がみられる。被害を受けた自宅に留まるよりも、状況に応じた適切な支援を受けることができる避難先に移行する方が、高い生活再建の実感を得ている可能性が考えられる。
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Research Products
(2 results)