2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ構造制御された多孔質オプティカル水素センサの創製
Project/Area Number |
19560685
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
濱上 寿一 Kurume National College of Technology, 材料工学科, 准教授 (30285100)
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Keywords | 水素ガスセンサ / 室温水素検知 / 多孔質膜 / マイクロ構造制御 / 高分子ビーズテンプレート法 / パラジウム |
Research Abstract |
安全・安心な水素エネルギー社会の実現に向けて、構造が高度に制御された新規な水素センサを開発することを目的とした。水素センサとしては、パラジウム(Pd)の光学特性の変化を光信号として捕らえるオプティカル式を採用した。実用化されている電気式センサに比べ、室温作動が可能で水素に対する高選択性をもつなどの特徴がある。その一方で、繰り返し検知特性の改善や水素検出時の感度、応答性、回復性の向上も切望されている。そこで、本研究ではサブマイクロメートルスケールの微細構造が高度に制御されたPd多孔質膜を作製し、その水素検知特性の評価を通じて高性能な新規水素センサを提案することを目的とした。多孔質膜の作製には高分子ビーズテンプレート法を採用した。高分子ビーズには粒子サイズの揃ったポリメチルメタクリレート(PMMA)球状粒子を用いた。PMMA粒子のサイズは150, 400, 800nmの3種類を用いた。まず、電気泳動法により透明電極付きガラス基板上にPMMA粒子堆積層を形成した。次に、電気めっき法によりPMMA粒子膜の隙間にPdを析出させた。熱処理によりPMMAを熱分解除去し、多孔質膜を得た。多孔質膜中の孔はPMMA粒子のサイズと形状を強く反映していることがわかった。孔の配列の規則性は、粒子サイズによって大きく影響されることがわかった。室温における水素検知特性は、従来の無孔のセンサ試料と同等あるいはそれ以上であることが確認された。とくに、回復特性に関しては、無孔の試料に比べ性能が向上することが確認された。多孔質膜の孔の規則配列化および三次元規則配列孔を有する試料の作製までには至らなかったが、新規な多孔質オプティカル水素センサを作製することに成功した。
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