2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560709
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松村 義人 Tokai University, 工学部, 教授 (60239085)
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Keywords | 磁歪 / 薄膜 / 磁歪感受率 / 過剰エネルギー / 鉄-ガリウム合金 / サマリウム-鉄合金 / 炭素・窒素 / 内部応力 |
Research Abstract |
本研究計画は磁歪材料薄膜の内部応力を制御する因子をあきらかにすることにより膜の磁歪感受率を制御し、磁歪薄膜デバイスに最適化した特性を作り出そうというものである。平成19年度の研究成果は以下のとおりである。 鉄-IIIA族元素の磁歪薄膜の研究については、磁歪量が最大となる17at%Ga-Feを中心として研究を行った。その際に成膜条件下での蒸気圧差が3桁近くなるGaとFeを所望の組成で成膜するため、使用するイオンプレーティング装置を二元蒸発源に改造した。Gaにおいてはバルク材では20at%程度しか固溶しないGaを、鉄のb.c.c.構造を保ったまま固溶させることができることを明らかにした。その結果から、鉄中へのGa,Al等のIIIA族元素に関し、その固溶度の拡張と薄膜の作製プロセスごとの投入過剰エネルギーの関係、さらにその際に生じる膜の内部応力と磁歪特性の関係を明らかにした。 希土類-鉄薄膜に関する研究においては、Sm-Fe系超磁歪薄膜の作製時に炭素・および窒素の微量添加を行い、その内部応力変化と磁歪特性の関係を明らかにした。炭素・窒素ともに微量の添加においては、最大磁歪量の低下を生じることなく磁歪感受率を従来報告されているものに比較して1桁近く向上させることができることを明らかにした。 これらの結果は日本金属学会および電磁力関連のダイナミクスシンポジウムにおいて12件の発表を行った。また、マレーシア・日本先端科学技術国際会議(MJISAT2007)にて5件の報告を行った。
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