2009 Fiscal Year Annual Research Report
船舶流体力学における非自己随伴方程式系の固有値問題とその最適離散化法への応用
Project/Area Number |
19560796
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 清重 Osaka University, 工学研究科, 准教授 (10135668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 保幸 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20172166)
眞田 有吾 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30467542)
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Keywords | 固有関数 / 積分方程式 / 境界層 / ケルビン波 / エアリー関数 / 変数分離法 / エルミート多項式 / 座標歪曲法 |
Research Abstract |
船体外部流れに関する非自己随伴方程式系を積分方程式化し、その固有関数ないしは近似固有関数を導きだすことにより、最終的に方程式の最適離散化法を導出することを目的とする。特別な場合には、簡単な公式運用、直感に訴えやすい方程式の解法を準備し、教科書的解法を提示することも目的の1つとしている。本年度は以下のことを行った。 1) 境界層に関する固有関数と最適離散化法 初年度に2次元層流境界層方程式に代わるKarman-Millikanの積分方程式を境界層外部流れの支配方程式の固有関数を用いて離散化する方法を示し、無限連立の非線形積分関係式を導出した。その解法として奇数次エルミート多項式の直交性を利用した座標歪曲法を提案し、2年度目には伴流部に拡張した。本年度は3次元層流境界層の手始めとして軸対称よどみ点境界層について考察した。しかし、平板境界層の場合とは異なり、特異点を有する関数の積分評価に難があり、精度が悪いことが分かった。簡単化の目的からは外れるが、単純な数値積分法を利用すれば良好な結果が得られることが分かった。 2) 波を生成する系に関する固有関数 この系に関する固有関数を生成することは当初より困難であることを認識しており、その代わりに船体後方のケルビン波に着目して、エアリー関数とその導関数の2つを用いて速度ポテンシャルの漸近表現を試みた。この表現は全後方領域で一様にラプラス式および自由表面条件を満足し、かつケルビン角内では停留位相法により得られる結果に漸近することが明らかになった。エアリー関数表現にはデカルト座標系の変数ではなく新たに示した独立変数を選ぶことにより変数分離が可能であり、幾何光学的近似法の意味でその条件を示した。また、エアリー関数表現に基づく波形解析法を示した。
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