2008 Fiscal Year Annual Research Report
渦法による非線形波浪中の付加物付き浮体構造物の動揺解析手法の開発
Project/Area Number |
19560800
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
今井 康貴 Saga University, 海洋エネルギー研究センター, 助教 (90284231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 修一 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 教授 (30404205)
豊田 和隆 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 准教授 (10274507)
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Keywords | 渦法 / 海洋プラットフォーム / 非線形波浪 |
Research Abstract |
洋上風力発電、海洋温度差・波力等の海洋エネルギー利用、メタンハイドレート生産等に利用される浮体構造物を、我が国周辺の厳しい気象・海象条件下で安全に供用するため、大波浪下での浮体の動揺の低減化と、定点係留の観点から波漂流力の低減化という2つの課題の解決するため、本研究では没水部に固定又は可動式フィンを付加した浮体構造物を提案する。具体的には、浮体の動揺低減化と波漂流力低減化のために設置されたフィンの最適形状及び最適配置を推定することを目的に、大波浪中にある浮体とフィンの相互干渉を考慮した動揺計算手法の開発を行う。 平成20年度においては、フィン単体での流体力係数を精度良く取得することができる方法についての研究を実施した。断面形状が入射波に比べ比較的大きい場合は、通常、物体に働く流体力は、付加水質量および造波減衰を用いた表現が用いられる。この方法では渦の発生によるエネルギー消散である造渦減衰が考慮されていない。一方、流体中において振動する円筒状構造物のように、断面が入射波に比べて小さい場合は、“モリソン式"と呼ばれる式が用いられている。この式では、流体力を、抗力係数と付加質量係数を用いて表現している。しかしながら、翼のような断面を持つ物体が水面近くに存在する場合は、モリソン式に水面に発生する波に対応する、自由表面影響を考慮すべきと思われる。今年度の研究においては、モリソン式に自由表面影響を表す項を付加し、抗力係数、付加質量係数、造波減衰係数を用いて、水面近くにある物体に働く流体力を表現する手法を提案した。さらに平成19年度に取得した実験結果と比較検討し、この手法の妥当性を確認した。
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