2009 Fiscal Year Annual Research Report
渦法による非線形波浪中の付加物付き浮体構造物の動揺解析手法の開発
Project/Area Number |
19560800
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
今井 康貴 Saga University, 海洋エネルギー研究センター, 准教授 (90284231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 修一 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 教授 (30404205)
豊田 和隆 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 准教授 (10274507)
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Keywords | 渦法 / 海洋構造物 / 波食い推進 / 漂流力 |
Research Abstract |
海洋空間の基盤である浮体構造物を、我が国周辺の厳しい気象・海象条件下で安全に供用するためには、"大波浪下での浮体運動の低減化"と定点係留の観点から"波漂流力の低減化"という2つの課題の解決が必須である。この課題を同時に解決する方法として、浮体の没水部に固定または可動フィンを設置して、フィンの(1)浮体の動揺エネルギーを渦のエネルギーに変換する(浮体動揺低減化)、(2)翼型フィンに発生する揚力を利用して、浮体を波の入射方向へ推進させる(波食い推進による波漂流力低減化)、という効果を利用する方法が有望である。 そこで、本研究では、近年著しい発展を見せている渦法を大波浪中にある浮体とフィンの相互干渉問題に適用した。過去の研究では無視されていた渦度計算の際の自由表面条件の考慮法や渦度乱流モデル等について検討を行い、計算精度向上のための提案を行った。 計算法開発と並行し、プログラム検証用に水槽実験を行い、フィン付き浮体を構成する部材が上下揺運動する際の流体力を計測した。物体が自由表面近くで運動する場合、流体力には造波による減衰が影響する。設置深度が大きく、自由表面影響がほとんど無い状態から、設置深度を段階的に浅くすることにより、流体力に及ぼす自由表面影響を計測した。これまで、船舶海洋工学で用いられてきた方法では、流体力を成分分解する際、加速度に比例する成分(付加質量)と速度に比例する成分(造波減衰)に分解していた。しかし従来の方法では、速度二乗に比例する粘性流体力を抽出することができないため、渦形成による抗力成分が記述できない。そこで本研究では造波減衰を考慮したモリソン式を提案し、従来の方法では高精度な分離が不能であった粘性力成分を分離することに成功した。
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Research Products
(2 results)