2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19570013
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山村 靖夫 Ibaraki University, 理学部, 准教授 (50202388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 良通 茨城大学, 理学部, 教授 (30125801)
塩見 正衛 茨城大学, 名誉教授 (80250976)
中野 隆志 山梨県環境科学研究所, 研究員 (90342964)
|
Keywords | 森林限界 / 一次遷移 / 富士山 / 火山荒原 / 雪崩れ / 強光阻害 / カラマツ / シラビソ |
Research Abstract |
富士山北斜面の森林限界での平成19年度の調査と,前年度までに行った予備調査のデータを解析し,以下のような研究成果が得られた。 1.森林限界を構成する半島状植生の一つについて,辺縁部の樹齢分布と空中写真の画像データから最近の植生拡大速度を推定したところ,両者の結果はほぼ一致し,最大で22cm/年だった。最近27年間では先端部の斜面方向の拡大は止まっているが,全体として上方に拡大したことが明らかになった。画像解析の有効性が明確になり,次年度以降この手法を使ってより広範囲に調査することにより富士山の森林限界の動態を解明することが可能になった。 2.森林限界の直上のスコリア荒原で過去に行われた植生調査のデータを解析し,遷移初期種で森林限界植生の優占種であるカラマツの定着には,先駆種ミネヤナギが形成ずるパッチがナース植物として作用していることを明らかにした(論文投稿,受理)。 3.雪崩道に面したカラマツ優占林での植物の分布様式,サイズ・齢構成の調査から,雪崩による林内へのスコリアの流入による環境変化が,カラマツの更新を可能にする一方でシラビソの定着を阻害し,先駆林から極相林への遷移を遅らせていることが明らかになった(論文として発表)。 4.森林限界のカラマツ林に定着したシラビソ稚樹と,雪崩によりカラマツ高木が除去された隣接地のシテビソ稚樹の成長および生理生態的特性を比較し,裸地環境では光合成に対する強光阻害によって著しく成長を低下させられることが示された(日本生態学会で発表)。
|
Research Products
(5 results)