2008 Fiscal Year Annual Research Report
筋収縮制御とサルコメア心筋症に関わるC-タンパク質の新たな分子機能の解明
Project/Area Number |
19570067
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 成樹 Chiba University, 大学院・理学研究科, 助教 (40261896)
|
Keywords | C-タンパク質 / MyBp-C / 筋収縮 / ミオシン / アクチン / 骨格筋 / 心筋 |
Research Abstract |
サルコメアの維持・安定化や筋収縮におけるC-タンパク質の役割を明らかにするために、心筋型、速筋型、遅筋型C-タンパク質のN端側ドメインを大腸菌を用いて作製し、共沈実験法によりアクチン線維との相互作用を調べた。その結果、速筋型>心筋型>遅筋型の順にアクチン繊維との結合が強いことが明らかとなった。次に、心筋型と速筋型のC-タンパク質のN端側領域をさらに断片化してアクチン結合の機能的最小単位を共沈実敦法とHis-tag pull down法により解析した。その結果、心筋型はN末端側のドメイン1からリン酸化領域を含むリンカー領域を経てドメイン2の間の領域がアクチン結合部位の候補になった。速筋型はドメイン1とドメイン2の間のリンカー部位からドメイン2の一部を含む額域が結合部位であることがわかった。これらのことから、トロポニンIのアクチン結合部位と相同性を持つ領域がC-タンパク質のアクチン結合部位であることが予想された。一方、筋収縮の主要な制御因子トロポニン(TN)は脊椎動物では横紋筋にのみ存在し、収縮のブレーキとして働くが、原索動物マボヤでは平滑筋にも存在し、収縮のアクセルとして働く。原索動物から脊椎動物における収縮制御機構を明らかにするために、カタユウレイボヤ(Ci)とナメクジウオ(Amp)の組み換え体を作製して機能を解析した。その結果Ciでは骨格筋と平滑筋のTNが共にアクセル型の機能を示し尾索類で一般的な特性であることがわかった。Ampは脊椎動物と同様にブレーキ型の特性を持つことが明らかになった。遺伝子による系統解析の結果は頭索類のTNが祖先型で、尾索類TNが進化の過程でユニークな機能特性を獲得したことがわかった。この成果は第9回国際細胞生物学会(2008年、韓国)で報告しExcellent Poster Awardを受賞した。
|
Research Products
(5 results)