2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋収縮制御とサルコメア心筋症に関わるC-タンパク質の新たな分子機能の解明
Project/Area Number |
19570067
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 成樹 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 講師 (40261896)
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Keywords | C-タンパク質 / MyBP-C / 筋収縮 / ミオシン / アクチン / 骨格筋 / 心筋 |
Research Abstract |
サルコメアの維持・安定化や筋収縮におけるC-タンパク質の役割を明らかにするために、ニワトリ心筋型C-タンパク質のドメイン0-4と、マウス速筋型と遅筋型C-タンパク質のドメイン1-4を大腸菌発現系により作製した。これらフラグメントの筋収縮に対する作用を明らかにするため、アクトミオシンATPase活性への影響を解析した。その結果遅筋型フラグメントはアクチンとミオシンのみのコントロールとほとんど違いが無く、アクトミオシンATPase活性に影響を与えなかった。一方、速筋型C-タンパク質のN端側領域はアクトミオシンATPase活性を50%以上抑制した。このような抑制効果は心筋型でも見られた。アクチン線維に対する結合が速筋型と心筋型で強いことから、これらのC-タンパク質はN端側領域でアクチンと強固に結合することで、アクトミオシンATPase活性を抑制していると考えられる。心筋型C-タンパク質のアクチン結合領域がドメイン1-2のリンカー領域で、そこには心筋型特異的なリン酸化部位も含まれることから、心筋ではC-タンパク質のリン酸化によリアクチン-ミオシン相互作用が制御されている事が示唆される。一方、速筋型のアクチン結合領域もドメイン1-2のリンカー領域だが、リン酸化部位が無いことより、骨格筋において速筋型は恒常的にアクチン-ミオシン相互作用に影響を与えることが示唆された。また、ニワトリの心筋型C-タンパク質には、特異的なリン酸化領域を持つtype Iと持たないtype IIの二つのアイソフォームが存在する。筋発生とこれらのアイソフォームの関係を明らかにするため、type I特異的抗体を作製し、解析した。その結果、心臓では発生段階を通してtype Iが発現していることがわかった。一方、type IIは心筋ではほとんど発現せず、発生中の幼弱な骨格筋に発現することがわかった。
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