2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機硫黄化合物に作用する酵素について-特異的な炭素-硫黄結合の開裂と形成-
Project/Area Number |
19580091
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大城 隆 Tottori University, 工学部, 講師 (00233106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 好計 鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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Keywords | Microbial desulfurization / Dibenzothiophene / Desulfinase / Site-directed mutagenesis |
Research Abstract |
今年度は、ジベンゾチオフェン脱硫酵素系を構成する酵素のうち、最近立体構造が明らかになり、しかも代謝系全体の律速段階になっているRhodococcus erythropolis由来の2'-ヒドロキシビフェニルスルフィン酸デスルフィナーゼ(DszB)について蛋白質工学的手法を用いて改変し、変異酵素の酵素化学的性質を明らかにし、野生型酵素と比較した。今までにDszBと同じ反応を触媒する酵素として好熱性脱硫細菌由来のBdsB、TdsBが知られている。そこで、これら三者のアミノ酸配列を比較し、異なっている残基についてはDszBのアミノ酸残基をBdsBあるいはTdsBの残基に置換し、変異酵素タンパク質を大腸菌内で発現させ、酵素活性を測定した。その結果、変異酵素Y63Fは比活性が352units/mgであり、野生型酵素(184units/mg)の2倍になった。一方、変異酵素Q65Hの比活性は野生型酵素の半分であったが、熱安定性(35℃、30分熱処理後も残存活性60%)が野生型酵素(35℃、30分熱処理後の残存活性5%以下)に比べて高くなった。そこで、二重変異酵素Y63F-Q65Hを作成したところ、野生型酵素に比べて比活性の低下はなく、熱安定性はQ65Hと同程度上昇していた。基質に対する親和性は野生型酵素と変わりなく、従って触媒活性(kcat/Km)も野生型酵素と同じであった。本研究により、立体構造情報から酵素特性を改良するために最適と予測されるアミノ酸置換を実施し、予想通りに性質が改良された変異酵素を得ることができた。同様の手法で他の脱硫酵素についても特性改良を行うことできると考えられた。
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