2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゴルジ'膜構造体の構築・維持機構のケミカルバイオロジー的解祈
Project/Area Number |
19580098
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
高月 昭 Hosei University, 工学部, 教授 (80011972)
|
Keywords | 抗生物質 / 細胞・組織 / 生理活性 / ゴルジ装置 / 生体膜 / ブレフェルジン A / ノコダゾール / 中心体 |
Research Abstract |
1.新規ゴルジ装置ダイナミクス作用物質の探索微生物培養抽出物の細胞増殖に及ぼす作用を検討した。次いで,細胞増殖阻害サンプルについて,ゴルジ局在蛋白のRrefeldin Aによる逆行移行,ならびに,Nocodazoleによる細胞質分散に及ぼす作用を検討した。顕著なゴルジ装置ダイナミクスヘの作用を示すサンプルについて活性物質の生成・単離を行い,それらの一つはPiericidin Aと同定された。ゴルジ局在蛋白の逆行移行や細胞質分散はエネルギー依存性であるが,Piericidin Aは呼吸阻害剤であることから,細胞内ATPの枯渇の結果としてゴルジ装置ダイナミクスが影響されることが考えられた。しかし,細胞内ATPの顕著な減少が認められない条件下でゴルジ装置ダイナミクスへの作用が観察されることから,エネルギー枯渇の結果ではないことが示された。 2.中心体の機能に焦点を当てたゴルジ膜構造体の構築と維持の機構の解析ミトコンドリアでの酸化的燐酸化は複合体I〜Vが司っているが,Piericidin Aは複合体Iの阻害剤であることから,その他の複合体Iの阻害剤に加え複合体II〜Vの阻害剤についてゴルジ装置ダイナミクスヘの作用の比較楡討を行っている。 ゴルジ装置を分散・消失させる手段としてBrefeldin AとNocodazoleが頻用されているが,作用の異なる新規なゴルジ装置分散剤を見いだした。ゴルジ装置各コンパートメントに局在するマーカーについて,作用の異なるこれらの薬剤に対する感受性の比較検討を行っている。未だ確定するには至っていないが,全ての分散剤でシス槽>メディアル槽>トランス槽>トランス・ゴルジ網の順に感受性示低い傾向を認めた。中心体と細胞周期を通して強く結合しているトランス・ゴルジ網蛋白との関連が示唆されることから,次年度は,本知見を更に詳細に検討すると共に,その結果に基づいて,ゴルジ装置の構築と維持における中心体の機能を検討する。
|