2007 Fiscal Year Annual Research Report
微生物由来の細胞傷害性タンパク質パラスポリン4の作用機構解明
Project/Area Number |
19580117
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Research Institution | Fukuoka Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
奥村 史朗 Fukuoka Industrial Technology Center, 生物食品研究所, 専門研究員 (40399671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 浩之 福岡県工業技術センター, 生物食品研究所, 専門研究員 (60416493)
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Keywords | Bacillus thuringiensis / parasporin |
Research Abstract |
1.パラスポリン4(PS4)レセプターの探索 CACO-2細胞の膜画分をSDS-PAGEにより分画して、トキシンオーバーレイアッセイによりPS4と結合する画分を探索し、約250kDaの位置にPS4と強く結合する画分を得ることができた。低密度のアクリルアミドゲルで該当するバンドを確定しようとしたが、当該部分には微弱なバンドが多数あり、PS4と結合するバンドを特定することはできなかった。そこで2次元電気泳動による分画を試みたが、分子量が大きいため1十分な量のタンパク質をゲル内に取り込むことができなかった。現在PS4を固定化したカラムを用いてCACO-2細胞の膜画分からのPS4結合画分の濃縮を試みている。 2.PS4立体構造の解明に向けた変異体の作成 立体構造解明のためにPS4結晶の作製を試みたが、アモルファスな凝集物ができるだけで結晶が得られなかったことから、PS4に変異を入れて、結晶化を試みた。PS4の凝集はβシートに関連した凝集と考えられたことから、β凝集予測プログラムであるTANGOにより関連するアミノ酸を予測したところ111番目のイソロイシンがもっとも可能性が高かった。そこでこれをアラニンとした変異体(I111A)を作製した。また、PS4を2分割や3分割した変異体を作製し、6分割した3番目が凝集に関与していると特定した。これはTANGOの予測と一致していたが、I111A変異体は高分子凝集体を生じ、目的としていた「凝集しないPS4変異体」は得られなかった。 3.PS4の作用に関する細胞生理学的検討 PS4の投与から細胞死に至る過程を、LDH活性の細胞外溶出により測定したところ、シクロヘキシミドによるアポトーシス誘導と比較して、PS4投与直後から細胞外のLDH活性の増加が見られ、PS4の作用は予想したとおりポアフォーミングによるものと推察された。
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