2007 Fiscal Year Annual Research Report
捕食性オサムシの生活史形質と個体生態研究による遅れのない密度依存性の機構の解明
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19580166
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前原 忠 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (10251422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 直人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90303255)
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Keywords | クロカタビロオサムシ / ブナアオシャチホコ / 大発生 / 遅れのない密度依存性 / 生活史形質 / ブナ林 / 捕食性天敵 |
Research Abstract |
2007年に青森県八甲田周辺でブナアオシャチホコの大発生が見られた。また,その天敵であるクロカタビロオサムシの大発生も確認された.クロカタビロオサムシの密度変動には時間的な遅れが生じていない状況と原因を明らかにするため,以下の野外調査を行った. ・ブナアオシャチホコの密度・発育状況調査をフラストラップを用いて定期的に調査を行った. ・クロカタビロオサムシの成虫も7月下旬以降に大発生し,そのピーク期である8月上旬にピットフォールトラップを用いた標識再捕法により個体群密度の推定を行った.Jolly-Seber法を用いて計算を行った結果,16.3±8.0(s.d.)個体/m^2という高い値が得られた. ・10月以降に,クロカタビロオサムシの新成虫の越冬状況を把握すべく,越冬個体の掘り出し調査を行った.地表から深さ5〜30cmでクロカタビロオサムシを発見でき,生存個体41個体と死亡個体18個体を掘り出した.生存率は69.5%となり,生存個体の密度は11.2個体/m^2であった. ・越冬期の死亡要因と死亡率を把握するため,掘り出した成虫の一部を植木鉢に埋め込み地中に埋設した. これら一連の野外調査において,ブナアオシャチホコ大発生期にクロカタビロオサムシも大発生していることが改めて確認できた.また,大発生後の次世代についても越冬前においては高い密度で生存していることが確認できた.翌年の成虫発生期の挙動について注意深く今後の調査を行う. クロカタビロオサムシの成虫・幼虫の基礎的な発育速度・繁殖量等を飼育実験によって把握するための準備を以下のように行った. ・大量飼育の方法が確立されているヨトウガをクロカタビロオサムシ飼育用のエサとすることとし,中央農業総合研究センターよりヨトウガの分譲を受け,飼育実験を行うためのインキュベーター等を準備し,エサとなるヨトウガの飼育を始めた.
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Research Products
(1 results)