2008 Fiscal Year Annual Research Report
木材腐朽に関与する新規糖タンパク質の分子生物学的解析と環境汚染物質分解への利用
Project/Area Number |
19580196
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
田中 裕美 Kinki University, 農学部, 教授 (30140338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎 章郎 近畿大学, 農学部, 教授 (80027169)
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Keywords | 白色腐朽菌 / 水酸化ラジカル / Phanerochaete chrysosporium / 木材腐朽 / 糖タンパク質 |
Research Abstract |
木材を分解する腐朽菌はその腐朽形態に関わらず、木材を分解する際に菌体外に2価の鉄を含む糖タンパク質を分泌し、その物質によって生成される水酸化ラジカルが関与していることを明らかにしてきた。そして、白色腐朽担子菌ではこの水酸化ラジカルと、他の木材成分分解酵素との協奏的作用で木材構成成分の全てを分解する。昨年までの実験により、強力なリグニン分解菌である白色腐朽菌Phanerochaete chrysosporiumから水酸化ラジカル生成物質のタンパク質部分をコードする遺伝子glp1およびglp2を得た。さらに、glp1に関しては、5'末端および3'末端の非翻訳領域を解析し、転写開始点および2つの異なる転写終結点を解析できた。Glp2に関しては3'末端は解析できたが、5'末端については引き続き解析中である。またglp1遺伝子を大腸菌に組み換え、タンパク質を発現させるために、pET-32 Xa/LICベクター系を用いた。その結果、発現は確認出来たが、発現させたタンパク質を精製するのが困難であることが判明した。すなわち、使用する酵素が誤消化を起こす可能性やその後の精製段階でかなり長時間を必要とすることがわかった。そのため、BIO-RAD社の新製品であるProfinity eXact Fusion-Tag Systemを使用し発現を試みているが、引き続き詳細な発現条件の検討が必要である。さらにこの物質を用いた環境汚染物質の分解法の確立のために、モデル化合物を用いて分解実験を行ったが、モデル化合物が水溶性でないものは反応が進行しにくく、実験条件の検討が必要である。
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Research Products
(3 results)