2009 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の細菌感染に伴う抗酸化酵素の応答機構の解明-細胞生物学的アプローチ-
Project/Area Number |
19580236
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
長富 潔 Nagasaki University, 水産学部, 教授 (40253702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 達也 長崎大学, 水産学部, 教授 (60145307)
原 研治 長崎大学, 水産学部, 教授 (10039737)
橘 勝康 長崎大学, 水産学部, 教授 (20171712)
金井 欣也 長崎大学, 水産学部, 教授 (40145222)
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Keywords | 抗酸化酵素 / 活性酸素 / 魚病細菌 / 酸化ストレス / 培養細胞系 / クローニング / 遺伝子構造 |
Research Abstract |
本研究では、分子生物学的手法を用い、活性酸素代謝において律速として働くヒラメのSOD、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)及び誘導型NO合成酵素(iNOS)等の抗酸化酵素遺伝子並びにプロモーター領域の構造解析をすること、次いでヒラメ腹腔マクロファージの初代培養系で細胞生物学的手法を用いEdwardasiella tarda(E.tarda)感染に伴う酸化ストレスに対する抗酸化酵素の応答機構を明らかにすることを目的とした。 本年度はE.tardaの菌体外産生物質(ECP)をマウスマクロファージ株化細胞に暴露後、マクロファージのNOの産生能を調べた。その結果、E.tarda NUF251(強毒株)のECPを暴露後、NOの産生が確認されたが、NUF194(弱毒株)ではほとんど見られなかった。また、iNOS特異的インヒビター(L-NAME)、イムノブロット法、及びRT-PCRによる検討結果から、ECP暴露に伴うNO産生はiNOSの誘導によることが明らかになった。一方、E.tarda強毒株の場合、TNF-αの産生も確認されたが、弱毒株では見られなかった。また、ECPによって誘導されたNO及びTNF-αの産生は、JNKインヒビターによって阻害された、更に、ECPは加熱処理で不活化されたが、透析によって失活されなかったことからタンパク質の一種と考えられた。以上の結果より、E.tarda NUF251(強毒株)の菌体外産生物質が新規の病原因子であり、抗酸化酵素やiNOSが応答している可能性が示唆された。
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