2009 Fiscal Year Annual Research Report
分光反射特性を用いた水稲の高品質栽培管理技術支援法の開発
Project/Area Number |
19580296
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
石黒 悦爾 Kagoshima University, 農学部, 教授 (00041658)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箱山 晋 鹿児島大学, 農学部, 教授 (20091374)
|
Keywords | リモートセンシング / 一等米 / 分光反射特性 / 分光画像 / 土中温度 / 葉緑素 / 肥培履歴 / 正規化指標(ND_<770>,<660>) |
Research Abstract |
気象環境変動に対応した高品質の水稲(一等米)の栽培管理技術支援法を確立するため、田植え時期・温度・日射量・栽培管理の情報をファクターとして、これらが生育中の水稲の生物物理量(草丈・分げつ数等)や葉色に及ぼす影響について検討・解析した。対象水田圃場に地温計を数個設置し、圃場内の地温の変化を測定した。さらに研究分担者の箱山晋教授を中心として、生育期間における生物物理量を測定した。研究代表者の石黒を中心として、研究室の学生等の協力を受け、各圃場における水稲の分光反射率の測定ならびにバンドパスフィルターによる分光画像を撮影した。各圃場の所有農家による肥培履歴と収穫(等級・収量)調査についての聞き取り調査を行った。 以上の結果、(1)生物物理量が水稲の品質に及ぼす影響はほとんど見られない。(2)一等米の生成には生育期間における葉身の葉緑素の変動が大きな影響を及ぼし、しかも出穂期以後葉緑素が少ない個体は等級が高いことがSPAD計の測定より明らかとなった。(3)分光反射特性曲線より、770nmと660nmの反射率は葉緑素と関係があることが示され、この波長を用いた正規化指標(ND_<776>,<660>)はSPADと高い相関を示し、リモートセンシングによる葉緑素推定の可能性が示された。(4)分光画像に正規化指標を適用した葉緑素分布画像は、土中温度の分布と密接な関係があることが示された。 一等米の割合の低下は気象要因、とりわけ出穂期の高温によるとの報告があるが、本研究では圃場内の土中温度のバラつきによる生育ムラも起因することが明らかとなった。
|
Research Products
(2 results)