2008 Fiscal Year Annual Research Report
多機能マスト細胞の戦略的分化誘導と免疫応答における調整機構の包括的解析
Project/Area Number |
19580352
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
池田 輝雄 Azabu University, 獣医学部, 准教授 (60151297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 賢 麻布大学, 獣医学部, 教授 (80271360)
代田 欣二 麻布大学, 獣医学部, 教授 (70147974)
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Keywords | マスト細胞 / 細胞増殖 / IL-9 / IL-3 / リアルタイム PCR / オートクライン / マスト細胞増殖因子 / SCF |
Research Abstract |
平成20年度の本研究において次のことが明らかとなった。 1.昨年度においてLPS刺激マスト細胞から産生されるIL-9によるマスト細胞のオートクラインによる増殖機序の解明が一部なされたことから、本年度はIL-9のプロモーター領域をクローニングし、レポーターアッセイ用のベクターを作製し、これまで得られた条件でのIL-9プロモーター領域での活性化を検討し、LPS濃度依存的にIL-9プロモータ領域が動くことをレポーターアッセイで確認し、これまで得られたLPSによるマスト細胞での詳細なIL-9の産生機構が確認された。 2.LPS刺激でのマスト細胞とマクロファージでの異なるサイトカインおよびケモカインmRNA発現プロファイルを解析したことから、これらのサイトカインおよびケモカインについてその一部のタンパク発現をELISA法を用いて定量解析した。 3.マスト細胞の活性酸素産生をマクロファージのそれと比較検討し、LPSでは両者ともROS産生は誘導されないことを見出した。活性酸素の誘導物質であるPMAによる刺激ではLiminol法によりマクロファージでは強いROS産生が誘導されたがマスト細胞での誘導はみられなかった。この誘導は大腸菌菌体およびionomycinを用いたときも同様であった。マスト細胞でのROS誘導の検出は誘導物質としてCompound48/80を用いた時に、DCFH-DA蛍光色素を用いた細胞内ROS検出法でのみ検出されたが、ROS産生はわずかであった。これらの結果からマクロファージとは異なるマスト細胞でのROS産生機構の一部が確認された。 4.骨髄由来マウス培養マスト細胞において、MHCクラスIの発現が蛍光抗体法により確認されたが、MHCクラスIIの発現は見られなかったことから、抗原提示細胞としてのマスト細胞の機能はPrecusorなマスト細胞ではないことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)