2007 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス系繊維最外表面の化学修飾による被服用繊維適性の開発
Project/Area Number |
19580385
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
飯塚 尭介 Tokyo Kasei University, 家政学部, 教授 (30012074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯貝 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40191879)
松本 雄二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30183619)
趙 栄淑 東京家政大学, 家政学部, 助教 (30439749)
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Keywords | 植物系繊維資源 / バイオマス / 表面処理 / KESシステム / 風合い特性 / 角質化 / TEMPO酸化 / 衣料用繊維 |
Research Abstract |
本研究では、植物系繊維資源の表面に選択的化学処理を行うことによって、衣料用繊維資源としての新たな適性を付与することを目的としている。本年度は、対象として棉布を取り上げ、主として、そのTEMPO酸化処理による性状の変化について検討した。先行研究において主に製紙用パルプの処理に使用されているTEMPO酸化処理条件においては、綿布の強度低下が著しく、表面性状の改質という本研究の目的を達成することは出来なかった。しかし、処理条件を種々検討することにより、綿布の強度的性質の劣化は生じるものの、それが顕著にならない程度の温和な処理条件を見出すことが出来た。そのような条件でのTEMPO酸化処理によって、綿布の表面性状、とりわけKES法によって測定される風合い特性の変化について詳細に検討した。その結果、綿布表面の硬質化と粗表面化が進行し、結果として滑り易く、曲げ難い性質が付与された。このことは綿布表面の角質化の進行を示している。今後、このような表面性状の変化を最適化することによって、綿布に麻布に近い風合いを付与することが可能となると考えている。 TEMPO酸化反応を布の最外表面に一層限定的に進行させるための処理条件の検討についても行ったが、これについては更に検討を要する段階にある。 オゾン酸化、過ヨウ素酸ナトリウム酸化、エーテル化、エステル化等による表面処理についても、それらの処理における処理条件と綿布の表面性状および風合い特性との関係について、検討を進めている。
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Research Products
(1 results)