2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病における神経因性疼痛発症のしくみ:新規治療薬への挑戦
Project/Area Number |
19590265
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高野 行夫 Fukuoka University, 薬学部, 教授 (50113246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 健治 福岡大学, 薬学部, 助教 (60140761)
斎藤 亮 福岡大学, 薬学部, 講師 (80122696)
松末 公彦 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10389364)
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Keywords | 神経因性疼痛 / 糖尿病 / ミクログリア / ミノサイクリン / グリア細胞 / インスリン抵抗性 / fsp27 / 帯状回 |
Research Abstract |
本研究費最終年度なので、臨床への適用を目標に研究を進めた。 (1)糖尿病などによる神経因性疼痛に、抗生物質のミノサイクリンが有効であることを明らかにした。その作用機序として、神経損傷により、炎症性サイトカインが遊離され、ミクログリアを活性化する。その際に、Chemotactic Cytokine Ligand (CCL)が産生され、CCLはグルタミン酸を介して、痛覚路の2次ニュウロンを刺激することが明らかにされた。ミノサイクリンは、CCL-1の産生を抑制して、抗アロディニア効果を発現すると考えられる。今後詳細を検討することにより、ミノサイクリンの疼痛における臨床応用の可能性が期待できる。 (2)ヒトの痛みを考慮して、脳での痛みの経路とされている帯状回の役割を解明し、以下の結果を得た。痛みのシグナルは、内側脊髄視床路から帯状回に至る。帯状回では、ムスカリンM1受容体が抑制性の介在性GABA神経に働き、放出されたGABAが延髄吻腹内側部(RVN)に投射する興奮性グルタミン酸神経を抑制する。その結果、下行性痛覚路を抑制する。 (3)2型糖尿病の病態解明は、糖尿病による神経因性疼痛に不可欠である。本年は、私たちが見出した肝インスリン抵抗性の悪化に対する候補遺伝子、fsp27について検討を加えた。その結果、fsp27は2型糖尿病モデルの肝臓において脂質の蓄積をうながし、間接的にインスリン抵抗性を悪化している可能性を明らかにした。
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[Journal Article] Involvement of Na+/Ca2+ exchanger in pentylenetetrazol-induced convulsion by use of Na+/Ca2+ exchanger knockout mice2009
Author(s)
Saito R., Kaneko, E., Tanaka, Y., Honda, K., Matsuda, T., Baba, A., Komuro, I., Kita, S., Iwamoto, T., Takano Y.
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Journal Title
Biol.Pharma.Bull. 32
Pages: 1298-1930
Peer Reviewed
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[Journal Article] Aldosterone-sensitive NTS neurons regulate sensitivity of the baroreceptor reflex in high-sodium loaded rats
Author(s)
Masuda T, Hirabara Y, Nakamura Y, Chishaki A, Tsuruhisa M, Miyakawa M, Honda K, Saito R, Sakamoto H, Kawata M, Takano Y
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Journal Title
J.Pharmacol.Sci. 112(In press)
Peer Reviewed
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