2007 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ脈管筋腫症細胞集塊における細胞接着機構の解明とその治療戦略への応用
Project/Area Number |
19590406
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
熊坂 利夫 Juntendo University, 医学部, 准教授 (00286709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬山 邦明 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10226681)
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Keywords | 肺リンパ脈管筋腫症 / LAM cell cluster(LCC) / リンパ内皮細胞 / 接着因子 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
本研究は、肺リンパ脈管筋腫症のLAM培養細胞を用いて人工LAM細胞集塊(LCC)を作製し、LAM細胞同士、LAM細胞とリンパ管内皮細胞同士の接着因子の発現を検討することを目的とする。現在、人工LCCの作製は少数個が作製されており、免疫組織化学的にLAM細胞の確認とリンパ管内皮細胞の確認を行い、患者乳魔体液中のLCCと同様の外側をリンパ内皮が被い、内部にLAM細胞が集塊をなす形態をとることを確認した。免疫染色法により人工LCCを解析すると、LAM細胞集塊内部にリンパ管内皮細胞を認めることがあり、これらは患者LCCとは異なっていた。また、Korffらの方法による人工LCCの作製では収量が少なく、一度に数個の人工LCCしか収穫することができず、現在接着因子その他の共焦点レーザー顕微鏡による解析が滞った状態になっている。さらには、LAM細胞自体の鮮度の問題もあり、培養細胞が継代するに従いLCCの形成が悪くなる傾向を示した。このため、現在Korffらの方法に加えて、幹細胞培養法によるLAM細胞のSphereを形成することを試みている。この方法ではLAM細胞が培養段階で球形(Sphere)に培養され、106個の細胞から数個から数十個までのLAM細胞の集塊ができることを確認している。これらの新しい方法によるLAM細胞集塊について、リンパ内皮細胞と培養することにより、人工LCCの作製をしている。この新しい方法による人工LCCは免疫染色によりSphere表面の一部にリンパ内皮細胞が生着していることが確認された。また、電子顕微鏡では平滑筋様細胞であるLAM細胞内にプレメラノゾームを確認した。今後はこのリンパ内皮細胞が周囲を被ったLAM細胞集塊を用いて、LAM細胞-LAMi細胞間、LAM細胞-リンパ内皮細胞間の接着因子、細胞間マトリックスの解析を今年度中に施行し終了させる予定である。
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