Research Abstract |
1.IFN製剤とその他の薬剤との併用による肝癌細胞の増殖抑制作用の評価について:IFN-製剤(IFN-β,PEG-IFN-α2b)とチロシンキナーセ阻害剤であるAG490(10<50nM)あるいは,NF-κB阻害剤であるβ-lactone(1,5μM)を用いて併用による増殖抑制作用を13株の肝癌を用いてMTTassay法で間検討した。その結果AG490は全て,β-lactoneは,1株を除く全株で濃度依存性に肝癌細胞の増殖を抑制した。併用効果は,IFN-βとの場合,AG490は,6株で相殺,7株で軽度の相加作用にとどまった。β-lactoneに関しては,同様に相殺9株,軽度の相加作用が3株に認められたのみであった。PEG-IFN-α2bの結果も類似していち。現在薬剤の種類を増やして検討中である。 2.IFN-α誘導性アポトーシス関連重要分子の検討について:アポトーシス誘導分子のNoxa,BNIP-3,XAF-1,TRAIL-R1,TRAIL-R2,TRAIL,アポトーシス阻害分子のXIAPの発現について13株で検討した。その結果,IFN-α処理によりXAF-1のmRNAの発現上昇を全ての細胞株で認めた。Noxa,BNEP-3,XIAPは,3株ずつで上昇した。蛋白レベルでは,XAF-1の発現はIFN-αにより大部分で低下し,低下しない細胞株の多くはIFN-α誘導性アポトーシス出現と相関が見られた。TRAILのmRNAの発現上昇を11株で,TRAIL-R1,-R2の発現上昇を4株,3株で認めた。蛋白レベルでもTRAILとTRAIL-Rの発現上昇をいくつかの細胞株で認めたが,必ずしもIFN-αのアポトーシス誘導性と関連しなかった。
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