2009 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロンを使用した肝細胞癌の治療及び予防に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19590412
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
矢野 博久 Kurume University, 医学部, 教授 (40220206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 幸子 久留米大学, 医学部, 講師 (40258405)
秋葉 純 久留米大学, 医学部, 講師 (00341305)
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Keywords | 肝細胞癌 / インターフェロン / 血管内皮細胞増殖因子 / ベバシズマブ / アポトーシス / ヌードマウス |
Research Abstract |
インターフェロン(IFN)と抗VEGFヒト化モノクローナル抗体であるベバシズマブ(アバスチン[○!R])との併用による肝癌細胞の抗腫瘍効果についてin vitro及びin vivoで検討した。ベバシズマブは、in vitroで肝癌細胞に対して直接的な増殖抑制効果を示さなかった。ヌードマウス皮下移植ヒト肝癌に対する抗腫瘍効果は、ベバシズマブ、IFN、それぞれ臨床使用量の単独投与で比較的明瞭な効果が認められた。ベバシズマブによる抗腫瘍効果は血管新生阻害を介した作用と推察された。ベバシズマブ、IFN両者の併用投与では、抗腫瘍効果の増強は不明瞭であったが、併用群で最も広範な壊死が認められた。現在、今年度の計画通り、Sorafenib(ネクサバール[○!R])の抗腫瘍効果についてin vitro及びin vivoで検討中であるが、今後、ベバシズマブを含め種々の分子標的薬とIFNの併用による肝癌に対する抗腫瘍効果の増強作用の有無に関する継続的な検討が必要である。IFN-α誘導性細胞周期停止関連分子に関しては、時間・費用の面で検討が十分行えなかった。しかし、計画外のヒアルロン酸ゲルよりなる新規のDrug Delivery System(DDS)を用いたIFN-αの放出に関する有用性の検討が可能であった。その結果、この新規DDSを使用しIFNの放出率を検討すると半減期が3倍程度延長はしているものの、初期に放出量が多く薬物の放出速度のコントロールは不十分であった。現在別の素材の新規DDSが既に開発されており、今後、IFN、分子標的薬の単独あるいは併用投与を行いこのDDSの有用性について検討を継続する予定である。
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Research Products
(3 results)