2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現プロファイルによる肥満モデル動物に対する代謝改善薬の効果の解析
Project/Area Number |
19590531
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
今井 順一 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (70376739)
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Keywords | 肥満 / 生活習慣病 / 動物モデル / メタボリックシンドローム / 遺伝子発現プロファイル |
Research Abstract |
内臓脂肪蓄積型肥満については、いくつかのグループにより脂肪組織における遺伝子発現について、DNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析する試みが行われており、脂肪組織については多くの研究がなされてきている。しかしながら、これらの研究は脂肪組織にターゲットを絞り、また、ある一部の遺伝子に着目して研究を進めているものがほとんどである。 そこで、我々は脂肪組織以外の組織に注目して内臓脂肪型肥満に伴う遺伝子発現変化を経時的にモニターし、内臓脂肪型肥満に関連する遺伝子の特定を試みた。 昨年度、血液生化学検査(GOT, GPT, T-CHO値など)や、肝臓組織の脂肪沈着により、内臓脂肪モデル動物の作製に成功した。そこで、通常餌で飼育したラット(NF)と高脂肪餌で飼育したラット(TF)の肝臓において両者間で発現レベルに差がある遺伝子群を、「t検定においてP値<0.0001かつ発現レベルが2倍以上」の条件で抽出したところ168遺伝子を特定できた。それら168遺伝子のみを用いてサンプル間のクラスタ分析を行ったところ、NF群とTF群が2群に明確に分かれた。さらに、血液で同様の抽出を行ったところ、P<0.01の条件で26遺伝子が特定できた。また、動脈のサンプルを採取し同様に比較したところ、20遺伝子が特定でき、膵臓では19遺伝子が特定できた。 これらはTFとNFを明確に区別できる遺伝子発現データセットであり、「肥満のメカニズムの解明」、「抗肥満薬の評価系」、「肥満治療薬標的分子の探索」、「食物の安全性評価」などに使用できる可能性がある。
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Research Products
(4 results)