2007 Fiscal Year Annual Research Report
多施設共同研究における新WHO分類に基づいた急性骨髄性白血病の診断
Project/Area Number |
19590565
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
栗山 一孝 University of the Ryukyus, 医学部, 教授 (90128174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 泰司 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40304943)
波多 智子 長崎大学, 医学部・歯学部付属病院, 助教 (10346968)
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / FAB分類 / WHO分類 / 中央診断システム / 染色体異常 / 子後因子 |
Research Abstract |
我が国における多施設共同研究グループであるJapan Adult Leukemia Study Group(JALSG)における急性骨髄性白血病(AML)の治療プロトコールであるAML-97に登録され、診断セントラルレビューを受けた628例について臨床的特徴、FABおよびWHO分類による病型分類、さらに染色体所見について解析を加え論文化した(International Joumal of Hematology,87:144-151,2008)。WHO分類では、171例(26.8%)が特異的染色体相互転座を伴うAML、133例(20.8%)が多血球系に異形成を伴うAML(MLD)、上記以外のAMLが331例(51.9%)、そして急性混合性白血病が3例(0.5%)を占めていた。MLDでは、血小板数が有意に高く、芽球のペルオキシダーゼ(MPO)陽性率が有意に低かった。高MPO陽性(≧50%)群では低MPO陽性群(<50%)より有意に予後良好であった。予後良好、中間および不良な染色体核型を有する症例の5年生存率はそれぞれ63.4%、39.1%、0.0%であり有意差を認めた。また染色体11q23異常を有する症例の5年生存率は35.5%であり、t(9;11)を有する9例はその他の11q23異常を有する23例と比較して生存率に有意差は認められなかった。本研究は、染色体、MLD、芽球MPO陽性率などの因子は予後に影響することを確認し、WHO分類による病型頻度、臨床像や生存率などの特徴をわが国における多施設共同研究として多数例で初めて示した。
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Research Products
(27 results)