2009 Fiscal Year Annual Research Report
進化分子工学技術を用いたアプタマーの作製とその臨床検査法への応用
Project/Area Number |
19590571
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
荒川 秀俊 Showa University, 薬学部, 教授 (70129807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 賢一 昭和大学, 薬学部, 助教 (20347272)
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Keywords | アプタマー / SELEX / キャピラリー電気泳動 / βアミロイド / アルツハイマー |
Research Abstract |
アプタマーとは、SELEX (Systematic evolution of ligands by exponential enrichment)法により得られるRNA又は1本鎖DNAで、抗体のように特定の物質に結合することができる核酸分子からできた人工核酸抗体である。アプタマーの特徴としては、in vitroでの作製が可能なことや、免疫寛容などの必要がないこと、また、アプタマーの塩基配列を一度確定できれば化学合成や酵素核酸増幅法で多量に作製することができる。本研究では、(1) 新規アプタマーの創製、(2) アプタマーを用いた臨床診断法の確立、(3) アプタマー大量合成法の構築とアプタマーの安定化の研究を中心に、アプタマーを用いた新たな診断試薬の開発を目的とする。本年度は、本研究で提案しているアプタマーの作製法を引き続き検討した。その作製原理は両端にプライマー結合配列と、その間にランダムな配列を含むように設計した1本鎖DNA (ssDNA)を用いてPCR増幅とRNAポリメラーゼによる転写反応により、RNAライブラリーを構築した。ここに標的分子を添加して、標的分子と複合体を形成したRNAのみを回収した。RT-PCRとRNAポリメラーゼにより新たなRNAライブラリーを第1世代とし、次のサイクルに用いた。これら一連の操作について反応条件を制御しながら繰り返し行い、高い特異性と親和性を備えたアプタマーを作製した。本年度ははアルツハイマーの原因物質と考えられるβーアミロイドタンパク質のアプタマーの作製を検討した。またアプタマーの回収では、新たにキャピラリー電気泳動法による分離法についても検討した。最終的には、ゲルシフトアッセイによりβアミロイドタンパク質に結合するアプタマーの創製を確認することができた。
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Research Products
(4 results)