2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590601
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平柳 要 Nihon University, 医学部, 准教授 (20189864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 聡 日本大学, 医学部, 准教授 (40142509)
山口 喜久 日本大学, 医学部, 講師 (10060138)
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Keywords | 映像酔い / 動揺病 / 心身機能 |
Research Abstract |
テレビ画面が大型化している昨今、大型画面での動きのある映像が視聴者の心身にいかなる影響を及ぼすかを明らかにするため、主に呼吸循環機能と自律神経機能に焦点を当てた多角的な生体情報の収集を行い、映像酔い(動揺病)発症時における視聴者の心身機能の特異的な変化を見つけ出すことを目的としている。そこで、小型船舶に立位で乗船し、荒川から東京湾(舞浜付近)に移動する際に、揺れる海面を含む景色をデジタルビデオカメラレコーダーに収め、映像の揺れが徐々に大きくなる24分間のビデオ映像として編集した。倫理委員会での承認を得た後、インフォームドコンセントが得られた21〜24歳の健常女性17名に対し、デジタルプロジェクター(輝度2,2001m、コントラスト2500:1)によってビデオ映像を大型スクリーン(縦124cmx横165cm)に写し、被験者にこれを、スクリーンの縦長と同じ124cm前方から凝視してもらうという負荷を行った。負荷前から終了後まで、心拍数、血圧、心拍-血圧変動、呼吸数、瞳孔面積などをモニターし、負荷の前と後には唾液中の3-メトキシー4-ヒドロキシフェニルグリコール(MHPG:3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol)濃度を定量した。その結果、唾液中MHPGは映像酔いの発症の有無に関わらず、負荷の前後で、有意差を認めなかった。心拍-血圧変動について、詳細はまだ分析中であるが、被験者の自己申告に基づく映像酔い症状の発現前と発現中において、心拍変動に差異を認めた。特に、心拍変動の高周波(0.15〜0.4Hz)成分に基づく副交感神経活動は映像酔いが生じる前は低下傾向を示したが、症状の出現後には高まる傾向が見出された。一方、交感神経活動については一定の傾向を認めなかった。
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