2007 Fiscal Year Annual Research Report
虚弱高齢者等の運動習慣化・生活様式変化に対する高齢健康指導ボランティアの効果
Project/Area Number |
19590636
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松坂 誠應 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 教授 (60190435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 茂 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70184778)
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Keywords | 虚弱高齢者 / 運動機能向上 / 転倒予防 / 主観的健康感 / ボランティア / 運動の習慣化 / 高齢者抑うつ度 |
Research Abstract |
1.目的と方法:高齢健康指導ボランティア(以下、高齢ボランティア)の効果を明らかにするために、下肢筋力強化とバランス運動の運動プログラム(1時間、週1回)を高齢ボランティアと虚弱高齢者等が一緒に行う介入群と、虚弱高齢者等のみで行う対照群で6ヶ月間実施し、介入前後に虚弱高齢者等及び高齢ボランティアの身体的・心理的・社会的評価を比較した。 2.結果:平成19年3月15日現在の全対象者は158名(平均76歳)で、介入群の虚弱高齢者等(以下、介入群)42名、対照群39名、高齢ボランティア77名であり、6ヶ月間のプログラム終了者は、それぞれ20名、23名、38名であった。 介入群では体力(椅子起立テスト等)が有意に改善していたが、高齢者抑うつ度や日常生活活動度、主観的健康感(SF-36)は有意の改善がみられなかった。一方、対照群では体力(椅子起立テスト等)や高齢者抑うつ度の有意の改善がみられ、SF-36の「活力」に改善傾向がみられた。高齢ボランティアでは体力(椅子起立テスト等)が有意に改善し、SF-36の「活力」に改善傾向がみられた。 3.考察:以上のことから、高齢ボランティアが参加すると虚弱高齢者等の心理的状況と主観的健康感が改善し、生活習慣を変えようとする行動に移る可能性が示唆された。また、高齢ボランティア自身も体力と主観的健康感の改善がみられ、健康・生きがいづくりに有用と思われる。以上の結果は当初の予想に沿うものであるが、次年度以降は対象者を増やし、介入群と対照群の2群間において比較検討し、高齢ボランティアの効果を明らかにする。 4.今後の研究体制:体力が改善した虚弱高齢者等を受け入れる市町村の体制整備が遅れているため、約80%の対象者が運動プログラムを継続せざるを得ず、プログラム終了後の評価ができる対象者の確保ができていない。次年度以降、新たな地区(研究体制は整備)を追加し研究を行う。
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Research Products
(1 results)