2007 Fiscal Year Annual Research Report
『車椅子エコノミークラス症候群』の実態調査とその予防対策
Project/Area Number |
19590705
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
木村 文治 Osaka Medical College, 医学部, 講師 (90204990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 創介 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (80233253)
山口 淳 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (20239891)
杉野 正一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (50216321)
石田 志門 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50388253)
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Keywords | economy class syndrome / ALS / 肺塞栓 / wheelchair / DVT |
Research Abstract |
平成13年度厚生省(現厚生労働省)調査によると車椅子使用者は334、000人とされる。申請者は神経筋難病疾患の臨床経験の中で、車椅子ユーザーにおける肺塞栓の危険性を実感した。急性肺塞栓血栓症(PTE)は特徴的な症状に乏しく診断が困難で死亡率が高いことが知られているが、病態を的確に認識し治療することにより治療可能で、費用対効果に優れている。特に、寝たきり状態よりも車椅子使用者で深部静脈血栓が多いこと、下腿筋萎縮のため筋ポンプ作用が弱く静脈還流が悪いこと、などより高いリスクが存在すると考えられる。筋萎縮性側索硬化症経過中に長時間車椅子ユーザーに起こったPTE1例を報告した。その後、長時間車椅子使用患者の調査を行い、多発性硬化症による一過性の脊髄麻痺女性が車椅子使用中にPTEを発症した症例、2例のパーキンソン患者で104時間以上の車椅子ユーザーに深部静脈血栓が発見されPTEを未然に防止する事ができた。以上の点を踏まえ,車椅子ユーザーの肺塞栓の原因となる深部静脈血栓症の包括的科学的解析を行っている。そして『車椅子でも起こるエコノミークラス症候群』の概念をより多くの一般の方々に普及し、公共福祉および予防医学およびプライマリーケアーの立場から啓発運動を進めている。種々の患者会および平成20年第105回日本内科学会において発表を行った。2007年6月号Neurology誌に掲載された。
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Research Products
(4 results)