2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590923
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
竹村 昌也 Tazuke Kofukai Medical Research Institute, 医学研究所第2研究部, 研究員 (30378707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 基成 財団法人田附興風会, 医学研究所第2研究部, 部長 (50342697)
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Keywords | 気管支喘息 / 誘発喀痰 / プロスタノイド / ロイコトリエン / TGFβ / 重症度 / CT / リモデリング |
Research Abstract |
これまで喘息患者41人(男13名:女28名53±17歳)と健常者9人(男5名女4名34±3歳)より喀痰を採取した。喘息群は軽症群(21名)、中等および重症群(20名)の2群に分けて検討した。また喘息群12名において胸部CTを施行し右気管支B_1ディメンジョン(気道全面積、気道壁厚、気道壁面積、気道内腔面積)を測定した。 1.喘息群では健常群に比し喀痰6-ketoPGF_<1α>モル濃度が有意に高値であった(0.67±0.83vs0.24±0.35,p=0.017)が、喘息群において喀痰6-ketoPGF_<1α>モル濃度は重症度との間に有意差はなかった。 2.PGE_2,PGF_<2α>,PGD_2,TXB_2,Cys-LTおよびTGFβ_1の各喀痰モル濃度は健常群と喘息群で有意差はなかった。 3.Stimulatoryメディエーター(Cys-LT,PGF_<2α>,PGD_2,TXA_2)各モル濃度の和とinhibitoryメディエーター(6-ketoPGF_<1α>,PGE_2)の和との比は健常群と喘息群で有意差なく、喘息群で上記の比と重症度、喀痰炎症細胞分画、肺機能および右気管支B_1ディメンジョンとの間に有意な相関はなかった。 4.PGE_2,PGF_<2α>,PGD_2,TXB_2,cys-LTの各喀痰モル濃度と右気管支B_1ディメンジョンに相関はなかったが、6-ketoPGF_<1α>と気道壁厚/体表面積(BSA)との間に負の相関傾向を認めた(r=-0.62,p=0.063)。 5.喘息群において喀痰TGFβ_1濃度と右気管支B_1の気道壁面積/BSAとの間に正の相関傾向(r=058,p=0,08)を、気道全面積/BSAと有意な正の相関(r=0.66,p=0.049)を示した。以上より安定期喘息患者における喀痰TGFβ_1は気道リモデリングの指標となる可能性がある。また、PGI_2は気道リモデリングに対し抑制的に作用している可能性がある。
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