2007 Fiscal Year Annual Research Report
運動失調症に関与する小脳発達障害候補遺伝子BRAP2の機能解析
Project/Area Number |
19591014
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
浅田 穣 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (60366755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 秀典 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30221328)
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Keywords | brap2 / p21 / 細胞周期 / 核移行シグナル / 細胞質 |
Research Abstract |
我々は乳がん抑制遺伝子BRCA1に結合する分子としてクローニングされたBRAP2分子が、細胞周期阻害分子p21の核移行シグナルに結合し、p21の核移行を阻害し細胞質に保持する分子であることを明らかにした。BRAP2分子はこのように本来核において機能する分子を細胞質に保持することにより、核内での分子の機能を不活化する、あるいは細胞質において新たな機能を付加することのできる分子と考えられる。そこで、BRAP2の神経系における生物学的意義を明らかにすべく、遺伝子ターゲティングを計画した。 129J系のES細胞を用いて遺伝子ターゲティングを行うため、公開されているB6系マウスのゲノム情報を下にPCR用のプライマーを作製し、129系ES細胞のDNAを鋳型として、マウス染色体5番に存在する129J系のbrap遺伝子の一部をクローニングした。さらに、染色体DNA上のbrapの構造解析を行い、ターゲティングベクターの設計および作製をした。ES細胞をMEF細胞存在下で培養し、直鎖状化したターゲティングベクターをエレクトロポレーションにより導入した。G418添加ES細胞培養液を用いたpositive selection、diphtheria toxinによるnegative selectionを行い、耐性ESコロニーを顕微鏡下でピックアップする。サザンブロットにより相同組換えを起こしたES細胞を選別する。現時点で相同組換えES細胞は得られていない。 Gene trap法によるマウスES細胞のデータベースより、brap遺伝子の領域にターゲティングされたクローンを見つけた。このES細胞を入手してノックアウトマウスを作製することも同時に行う。 我々がヒトのBRAP2に対して作製した抗体を用いて、マウスおよびラットの神経組織でBrap2の特異的発現が見られるか検討している。
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