2008 Fiscal Year Annual Research Report
運動失調症に関与する小脳発達障害候補遺伝子BRAP2の機能解析
Project/Area Number |
19591014
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
浅田 穣 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (60366755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 秀典 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30221328)
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Keywords | 細胞周期 / 遺伝子ターゲティング / Gene trap / brap2 / p21 / 核移行 / 細胞質 |
Research Abstract |
我々は乳がん抑制遺伝子BRCA1に結合する分子としてクローニングされたBRAP2分子が、細胞周期阻害分子p21の核移行を阻害し細胞質に保持する分子であることを報告した。BRAP2分子は本来核において細胞周期を制御する分子を細胞質に保持することにより、発生発達過程において重要な役割を果たしているのではないかと考えた。マウスにおいて細胞周期チェックポイント分子の欠失変異により小脳発達障害を示しているものがある。そこで、BRAP2の神経系における生物学的意義を明らかにすべく、遺伝子ターゲティングを計画した。 マウス染色体5番に存在する129J系のbrap遺伝子部分をクローニングし、ターゲティングベクターを作製した。129J系のES細胞に導入するも、相同組換えES細胞は得られなかった。 Gene trap法によりマウスES細胞においてbrap遺伝子の領域にターゲティングされたクローンをMutant Mouse Regional Resource Centersのデータベースで見つけ、入手した。このES細胞を胚盤胞にインジェクションし、キメラマウスを作製した。現在、キメラマウスよりヘミ接合体マウスを得ている。ヘミ接合体マウスにおいてGermline transmissionしていることを、brap2のサザンブロットにより確認した。ヘミ接合体マウスをかけ合わせることでホモ接合体、すなわちノックアウトマウスが得られるはずであるが、ホモ接合体の遺伝子型をもったマウスは生まれてきていない。Brap2は個体レベルで重要な役割を担っているために、遺伝子欠損マウスは胎生致死なのかもしれない。
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