2007 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-I関連脊髄症における新規な分子標的治療法の開発に関する研究
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19591015
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
山野 嘉久 St.Marianna University School of Medicine, 難病治療研究センター, 講師 (80445882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 龍二 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70336337)
有村 公良 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20159510)
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Keywords | HTLV-I / HAM / CD4+CD25+ / CTLA-4 / CD28 / FoxP3 / interferon-gamma / interleukin-2 |
Research Abstract |
HTLV-I関連脊髄症(HAM)におけるB7-CD28経路亢進状態の有無について検討するために、患者・健常者から末梢血単核球(PBMC)を分離し、HTLV-I主感染細胞であるCD4+CD25+T細胞におけるCTLA-4分子、CD28分子の発現量をフローサイトメトリー法にて比較解析した。HAM患者におけるCTLA-4分子の発現は健常者に比較して低下しており、HAM患者におけるCD28分子の発現量は健常者と同等であった。 また、HAM患者のCD4+CD25+T細胞におけるFoxP3の発現についても検討したところ、HAM患者においてCD4+CD25+FoxP3^<low>T細胞が非常に増えていることが判明した。この細胞は、CTLA-4の発現量も低いと考えられる。この細胞が、HAMの病態の特徴である"感染細胞に起因した過剰な免疫応答"を誘発している主原因細胞であると考えられる。そこで、次にそのCD4+CD25+FoxP3^<low>T細胞におけるサイトカイン(IFN-gamma,IL-2)の発現について検討した。HAM患者CD4+CD25+FoxP3^<low>T細胞におけるIFN-gammaの発現は健常者と比較して有意に上昇しており、IL-2に関しては有意な差は得られなかった。さらに、IFN-gamma産生性CD4+CD25+FoxP3^<low>T細胞の頻度と臨床的重症度との相関関係について検討したところ、統計学的な有意差をもって重症度との相関性が認められ、この細胞がHAMの病態において重要な役割を果たしていることが示唆された。 このように、本研究においてHAMにおける病因的細胞を同定しており、現在、その細胞の詳細な解析を進めている。
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