2008 Fiscal Year Annual Research Report
標的移動に追従する物理フィルターを使用した強度変調治療放射線治療
Project/Area Number |
19591465
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
沓木 章二 Keio University, 医学部, 講師 (00234443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国枝 悦夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70170008)
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Keywords | IMRT |
Research Abstract |
腫瘍の形に線量分布を一致させる強度変調治療(IMRT)は、前立腺や頭頚部腫瘍などで高い治療効果と周辺臓器への障害を防止する上で非常に有効である。しかし、肝臓や肺などの呼吸移動のある臓器では実施困難が指摘されている。すなわち、マルチリーフIMRTでは、ビーム内の線量パターンをリーフ移動により実現しているため、サブフィールドの照射中、あるいはリーフ移動中の短い時間にも呼吸による標的体積の移動があり、想定した線量パターンが実現できないおそれがある。 マルチリーフを使わず、物理的固体フィルタにより照射野強度パターンを一度に作れば、照射時間が短縮され、標的体積内ビーム強度は平均化され治療計画で想定した線量が投与できる。さらに、4次元CTで撮像し、腫瘍の動きを解析して呼吸に同期して固体フィルタを移動することで呼吸追従照射が可能となり線量分布を改善できる。 我々の考案したタングステン粒によるIMRT照射野一体形成法について、従来法と比較した利点を解明し、呼吸追従IMRTを実用化することを目的とする。 研究の個々の要素として、固体IMRTフィルタの作製法の確立、呼吸移動を実現する実験用ファントムを作製し、実用化試験システムを開発、シミュレーションによりDose-Volume Histogram解析をおこない、従来法との比較解析、固体IMRTフィルタ駆動装置の開発、呼吸検出装置の検証と実験などがある。 固体フィルタを電動アクチュエータでXY方向に移動する装置を作成し、呼吸移動に同期して移動することを確認した。呼吸同期用ソフトウェアを開発し、評価した。ソフトウェアとハードウェアの整合性を調査、確認した。呼吸同期照射システムを数名に対して試行し、動作状況について確認し、4次元的な腫瘍移動を胸部外輪郭の変化と供に記録し、呼吸同期データとして利用できるものとした。
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Research Products
(3 results)