2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間質細胞の神経栄養効果と分化誘導作用と-そのメカニズムと再生医療への応用-
Project/Area Number |
19591697
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中尾 直之 Wakayama Medical University, 医学部, 講師 (30301435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 徹 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40100995)
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Keywords | 細胞移植 / 幹細胞 / 再生医療 |
Research Abstract |
<目的>本研究プロジェクトの主要検討課題は骨髄間質細胞(bone marrow-derived stromal cells,BMSC)が有する(1)神経栄養効果と(2)神経分化誘導作用である。そこで、各年度においてそれぞれ平行して研究を進める予定であるが、平成19年度は、主として培養実験を通じて骨髄間質細胞が有する神経栄養効果および神経分化誘導のメカニズムの解明にあてた。 <結果>骨髄間質細胞の条件培養液は次の効果を発揮した。すなわち、(i)ドーパミン細胞の無血清培養下での細胞死を有意に軽減し、(ii)神経毒性である6-hydroxydopamineのドーパミン細胞に対する障害を有意に減弱させた。また、(iii)胚性幹細胞(ES細胞)の神経分化誘導を促進させた。その一方で骨髄間質細胞の条件培養液は、上述の神経細胞の生存を促進するという効果のみならず、神経細胞の形態にも変化をもたらすという当初の予想とは違う興味ある結果も得ることができた。そこで、当該年度事業計画の平成20年5月31日までの延長許可を得て、培養ドーパミン細胞の形態についてのデジタルイメージング解析を行った。その結果、骨髄間質細胞の条件培養液で処置した培養ドーパミン細胞は対照に比べて有意に神経突起を伸長・分枝することが判明した。 <結論>以上の結果は、骨髄間質細胞由来の神経栄養効果の多様性を示すものであり、本研究プロジェクトのさらなる発展につながる可能性をもつと考えられる。
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Research Products
(1 results)