2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591707
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉野 篤緒 Nihon University, 医学部, 准教授 (50256848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
渡邉 学郎 日本大学, 医学部, 准教授 (40287652)
福島 崇夫 日本大学, 医学部, 助教 (20350019)
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Keywords | 神経膠腫 / テモダール / インターフェロン / アルキル化薬 / MGMT / メチル化 / 悪性神経膠腫 / 培養細胞 |
Research Abstract |
悪性星細胞系腫瘍、なかでも膠芽腫の生存率は向上したとは言い難く悲惨な状況である。そんななか、temozolomide(TMZ)が認可され、大きな役割を持つ薬剤になると注目されている。しかし、TMZは延命効果を示すものの、薬剤抵抗性が大きな問題である。特にメチル化修復酵素であるMGMTの関与が示唆され、MGMTを抑制・枯渇することで耐性の克服が期待されている。しかし、O^6-BG、BCNUやPCZを用いた検討は満足すべきものではない。そして、我々は長年にわたりinterferon-beta(IFN-β)に注目しており、TMZとの相乗効果を期待している。 そこで、6種類(A172,AM38,T98G,U87MG,U138MG,U251MG)のヒト悪性神経膠腫(膠芽腫)細胞株を用いて以下の検討を行った。 1、 TMZによる細胞増殖抑制効果:反応には、MGMTのメチル化と蛋白発現が関与することが示された。T98GとU138MGは、MGMTがメチル化していない(methylation-specific PCR、direct sequence、そしてrealtime PCRを用いたmRNAの定量でも確認)と共に蛋白発現(Western-blotting)を認め、他の細胞株と比べTMZに対して耐性であった。 2、 IFN-βによる細胞増殖抑制効果:各培養細胞では容量依存性に効果が認められた(また、cytotoxicではなくcytostaticに作用している事を確認した)。 3、 TMZとIFN-βの相乗効果:TMZに対して耐性であるT98GとU138MGにおいて、IFN-βとの併用はsynergeticな(細胞増殖)抑制効果が認められた。臨床での併用療法(併用使用)に期待がもたれる。
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