2007 Fiscal Year Annual Research Report
除負荷による膝蓋腱マトリクス再構築現象を制御する分子動態の解明
Project/Area Number |
19591748
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北村 信人 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 助教 (80447044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 晴一 北海道大学, 北海道大学病院, 准教授 (60301884)
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Keywords | 膝蓋腱 / 除負荷 / 力学特性 |
Research Abstract |
線維芽細胞の分化やコラーゲン合成に大きな影響を与えていると考えられているtransforming growthfactor-beta(TGF-β)が除負荷された膝蓋腱に与える力学的特性およびマトリクス再構築現象を解明するために、我々が開発・確立した膝蓋腱除負荷モデルを用いて、TGF-βがin vivoにおいて除負荷膝蓋腱に与える影響について検討した。実験には日本白色家兎24羽を用いた。右膝蓋腱に対して除負荷処置を行ない、左膝蓋腱には除負荷処置を施さないsham手術を行った。兎を2群に分け、I群(n=12)では、4ngTGF-β1水溶液0.2mlを膝蓋腱と膝蓋下脂肪体の境界に投与し、II群(n=12)では生理食塩水0.2mlのみを投与した。各群とも手術後2、3週で6羽ずつ屠殺し、5羽を生体力学的評価に、1羽を組織学的評価に供した。また無作為に選別された左膝蓋腱を正常対照として使用した。IおよびII群の実質部断面積は正常対照に比べ有意に大きかったが、I、II群間には有意差を認めなかった。力学的試験において、1、II群の引っ張り強度および弾性率は正常対照に比べ有意に低かったが、1、II群間に有意差を認めなかった。組織学的評価においてはI、II群とも細胞数は正常対照よりも著しく増加していたが、I、II群間には差を認めなかった。今回の実験から、in vivoにおいては、TGF-β1投与が除負荷膝蓋腱の力学的特性に与える有意の効果を検出することができなかった。
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