2007 Fiscal Year Annual Research Report
シネモード磁気共鳴画像診断による子宮内膜症および月経困難症治療の有効性評価
Project/Area Number |
19591908
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
今野 良 Jichi Medical University, 医学部, 准教授 (70271905)
|
Keywords | 子宮内膜症 / 月経痛 / MRI / 子宮収縮 / サイトカイン / ロイコトリエン |
Research Abstract |
子宮内膜症患者5名と健常女性3名を対象にMR撮像を行い、シネモードを作成した。その結果、これまで報告されたように、月経痛を要する女性では不規則な収縮、虚血性変化などが観察された。しかし、当施設のMR機器が平成20年度に新機種に交代する事が明らかとなり、高精度な新機種での解析のほうが有用であることから、パイロット実験に留めることとした。新機種導入後にあらためて検討対象者にMRIシネモードの撮像を行い解析する予定である。一方、子宮内膜症の生化学的重症度判定パラメーターの探索では、8種類のサイトカインとCA125、CA199の測定を行なった。その結果、オステオポンチンが有用であることが判明し、日本子宮内膜症学会、日本産婦人科学会で発表した。 臨床的に月経痛が重症であり腹腔鏡手術にて子宮内膜症分類IIIまたはIV期と診断された患者のうち血清保存が可能であった16例について、血清オステオポンチンの値をELISA法で測定した。また、陰性対照は月経痛がない子宮頸部異形成患者16例とし、卵巣癌患者血清16例との比較検討も行った。子宮内膜症患者の血清オステオポンチン値は48.8±11.6ng/ml、陰性対照では40.5±13.5ng/mlであり、有意に高値であった(p=0.03)。卵巣癌患者では154.7±201.1ng/mlであり、子宮内膜症患者と比較すると有意に高値であった(p=0.001)。これまでの研究で、子宮内膜症組織中にオステオポンチンが高発現していることは遺伝子発現解析および免疫組織化学において報告されていたが、ヒト血清中でも有意に高値であることがわかった。その値は卵巣癌において更に高く、子宮内膜症からの発癌に関係している可能性も示唆された。今後の臨床的有用性の検討が期待される。
|
Research Products
(8 results)