2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤に高感受性の卵巣癌由来細胞株の樹立及び抗癌剤治癒モデルの創出
Project/Area Number |
19591923
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
沖 明典 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (60334067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 裕之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40158415)
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Keywords | 卵巣癌 / 細胞株 / 抗癌剤高感受性 / パクリタキセル / 抗癌剤感受性検査 |
Research Abstract |
化学療法を中心とした集学的治療によって治癒させることができた、臨床進行期IV期の進行卵巣癌の臨床検体から樹立した細胞株Opt203を用いて、本症例が治癒しえた細胞生物学的な背景を調べることが本研究の最大の目的である。また、本細胞株を用いて、再現性のある抗癌剤投与による治癒モデルを創出することを最終目的として研究を始めた。 本年度はOpt203株を限界希釈法を用いてsingle cell cloningした。本細胞株は非常に増殖が早く、細胞集団の性格が徐々に変化してしまう可能性があると考えて、クローニングすることにより細胞性格の固定を試みた。その結果、10クローンを樹立した。それぞれの細胞株の基礎的は細胞性格を確認したところ、細胞の発育状態や発育形態、培養上清の正常に差違がみられたものの、PTXに対する感受性検査では多少の差はあるが基本的にPTXに対して高感受性であるという結果は一致した。また、それぞれのクローンをヌードマウスに移植を試みたところ、可移植性が確認できた。FACSによる細胞周期の解析ではS期細胞は3〜15%と比較的ばらつきが多く、大元のOpt203株のそれが10%程度であることから考えると、Opt203はいくつかのcloneがcrudeな状態で混合された細胞集団であると考えられた。 ヌードマウスへの移植については現在安定的に移植が可能な条件を設定するべく実験している段階である。
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