2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤に高感受性の卵巣癌由来細胞株の樹立及び抗癌剤治療モデルの創出
Project/Area Number |
19591923
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
沖 明典 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60334067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 裕之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40158415)
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Keywords | 卵巣癌 / 細胞株 / 抗癌剤高感受性 / パクリタキセル |
Research Abstract |
研究の目的:Paclitaxel(PTX)/carboplatin療法後にpathological CRとなり、治療後4年無再発生存中のIV期卵巣未分化癌症例から樹立したTXO203株の樹立に関しては前年度までに研究を終了した。限界希釈法で0.1 cell/wellに調整したsingle cellから形成したcolonyより10のクローンを得た。これらがin vitroの感受性試験においても臨床で投与されて、治癒に至る高感受性を同様の効果を発揮することが確認された。今回はヌードマウスに移植して腫瘍を形成することができるか、また、このin vivoの移植系においても抗癌剤治癒モデルが創出できるかを検討する実験を行った。 結果;ヌードマウス皮下への移植は可能であり、移植後順調に腫瘍が増大することが確認された。移植された10のクローンの組織型はcrudeの細胞株と同様の未分化癌であったが、クローンのin vitroでの形態と同じように、一部で腺などへの分化傾向を示すような部位が散見された。しかし、腫瘍の増大速度が大きいため通常のパクリタキセル投与では腫瘍の増大の抑制が確認できなかった。実験の追試を試みたが、震災により実験系が散逸したため、中止せざるを得なかった。 考察:非常に増殖脳の旺盛な細胞株であり、in vitroの抗癌剤感受性検査では非常に高い感受性を示したが、in vivoの実験系ではこれが証明できなかった。これは皮下移植腫瘍のため腫瘍への血流が不良で抗癌剤が十分に行き届かなかった可能性が考えられた。機をみて、再実験を行い追試を行いたいと思っている。
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Research Products
(1 results)