2007 Fiscal Year Annual Research Report
発作性頭位めまい症の発症メカニズムとエストロゲンの前庭器内局在に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19591989
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 衛 Tokyo Medical University, 医学部, 教授 (80116607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 顕 東京医科大学, 医学部, 助教 (70366128)
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Keywords | 発作性頭位めまい症 / 耳石 / 卵形嚢 / クプラ / 更年期モデル / エストロゲンレセプター |
Research Abstract |
東京医科大学産婦人科学教室の指導によって卵巣摘出法を習得した。この方法でラットの更年期モデル動物を作成することに成功した。1.正常群(14〜18週齢群)2.更年期モデル群(10〜12週齢で卵巣摘出した14〜18週齢群)3.高齢群を作成した。卵形嚢耳石と耳石膜、半規管クプラの形態はこの3群間で大きな差はなかった。ついでドリルで振動刺激を側頭骨に5分、あるいは10分間与え、1)平衡斑表面の菲薄化、2)平衡斑辺縁の不整、3)平衡斑周囲の耳石流出を実体顕微鏡で観察した。耳石剥脱程度を点数換算し、評価した。振動負荷後、球形嚢斑において耳石剥脱がみられた。振動負荷を長時間とするほど耳石剥脱程度が増加した。振動負荷10分では、正常ラットでも高度に耳石が剥脱した。同じ刺激時間で各モデルラットを比較すると、更年期、高齢ラットは、有為に正常ラットよりも耳石が剥脱しやすいことがわかった。このことから、振動の他、内耳炎、内リンパ水腫、薬物投与、アブミ骨手術など様々な条件下で耳石が剥脱し、発作性頭位めまい症の原因になることが推察された。内耳形態変化とエストロゲンレセプター(ER)との関係を見るためにラット側頭骨を摘出、4%ホルマリンで固定した。EDTAで脱灰後、切片を作成し、H-E染色を行った。その後ERをLSAB法で免疫組織染色した。ERは卵形嚢、球形嚢、膨大部には発現せず、骨迷路内に発現していた。内耳骨は3層の骨から成るが、その中間に位置する層にエストロゲンレセプターが発現していた。しかし、各群間に差はなく、ER数はエストロゲン量の増減に関係なく存在していることがわかった。CollagenII染色を行うと内耳骨の中間層で正常群と更年期群で骨量の違いが認められた。今後、前庭器と内耳骨胞内レセプターの局在に関しさらに検討する予定である。
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Research Products
(1 results)