2007 Fiscal Year Annual Research Report
ショック後腸管リンパ液中に産生されるホスホリパーゼA2の臓器障害に対する影響
Project/Area Number |
19592101
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
増野 智彦 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (00318528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 格夫 日本医科大学, 医学部, 助教 (30409205)
鈴木 崇生 日本医科大学, 医学部, 助教 (40328810)
山本 保博 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70125079)
相星 淳一 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (50256913)
小池 薫 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10267164)
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Keywords | ホスホリパーゼA2 / 腸間膜リンパ / 出血性ショック / 臓器障害 |
Research Abstract |
出血性ショック後に生じる多臓器不全の発生機序を解明すべく、ショック時腸管虚血、特に虚血腸管より腸管リンパ液内に産生されるホスホリパーゼA_2(PLA_2)に着目し、PLA_2およびPLA_2由来脂質メディエーターが遠隔臓器障害発生に関与しているのかを明らかとすることを研究目的とした。 目的1:ショック後腸管リンパ液の持つ生物活性がPLA2由来であるか? 方法1-1:ラット出血性ショックモデル(ショック:平均動脈圧30mmHg x 45min;蘇生:脱血液+2x生理食塩水)を使用し、ショック前およびショック後に採取した腸管リンパ液をヒト分離好中球に加え、活性酸素産生能を指標に好中球活性化能を測定。 結果1-1:本出血性ショックモデルを使用し採取したショック後腸間リンパ液は、ショック前リンパ液に比べ好中球を有意に活性化し、ショック後腸管リンパ液が生理活性をもつことを確認した。 方法1-2:ショック前、およびショック後腸管リンパ液にin vitroにてPLA_2阻害薬(LY329722)を添加し、好中球活性化能を測定。 結果1-2:ショック後腸管リンパ液のもつ生理活性はin vitro PLA2阻害により抑制されることが示された。 方法1-3:同ショックモデルを使用し、ショック導入30分前よりPLA2阻害薬を経静脈持続投与。ショック前後に採取した腸管リンパ液を好中球に添加し、活性化能を測定。 結果1-3:ショック後腸管リンパ液のもつ生理活性はin vivo PLA2阻害により抑制されることが示された。 平成19年度まとめ:出血性ショック後腸管リンパ液内に含まれる生理活性物質はPLA_2由来であることが示された。20年度以降は、更に研究を進め、リンパ液中PLA_2由来生理活性物質と臓器障害との関係を検討する予定である。
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