2007 Fiscal Year Annual Research Report
Hox9 による骨形成と骨格パターンの新たな制御経路の解析
Project/Area Number |
19592119
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 恭明 Nagasaki University, 医歯 (薬) 学総合研究科, 助教 (80253673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 修一 長崎大学, 医歯 (薬) 学総合研究科, 准教授 (00181355)
池田 通 長崎大学, 医歯 (薬) 学総合研究科, 教授 (00211029)
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Keywords | hoxc9 / 骨芽細胞 / BMP / runx2 / smads |
Research Abstract |
【目的】われわれはDNAChip を用いた解析により、骨再生過程でhoxc9 mRNAの発現が強く上昇することを見いだした。本年度の研究目的は、hoxc9 の局在、骨芽細胞分化におけるhoxc9 の役割を明らかにすることである。【方法】In situ ハイブリダイゼーションにより、hoxc9 mRNAの局在を検索した。また、骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1(E1)にrhBMP-2 を添加あるいはrunx2 およびsmad1、smad2、smad4、smad7を一過性に強制発現させたときのhoxc9 の発現パターンの変化、さらにE1 細胞株にhoxc9 を強制発現させたときrunx2、骨芽細胞分化マーカーであるAlkaline phosphatase(ALP)の発現をReal-Time PCR で検索した。【結果と考察】 E1 細胞へのrhBMP-2 添加により、hoxc9 mRNAの発現は上昇した。しかしながら骨分化のマスター遺伝子であるrunx2 の強制発現ではhoxc9 mRNA の発現に変化は見られなかった。一方、hoxc9 をE1 細胞株に一過性に発現させることにより、runx2およびALPの発現が上昇した。これらの結果は、hoxc9 が骨芽細胞分化に促進的に働き、かつrunx2 の発現を制御していることを示唆している。そこで次に、runx2の上流で働くsmad ファミリーをE1 細胞株に一過性に強制発現させ、hoxc9 m RNA量の相対的変化を検索したところ、hoxc9 の発現は、,TGFβシグナルの伝達を制御するsmad2 により顕著に抑制されることが明らかになった。TGFβがBMP シグナルと拮抗的に働くことを勘案すると、hoxc9がTGFβのシグナル伝達を負に制御する可能性を示唆している。
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Research Products
(3 results)