2008 Fiscal Year Annual Research Report
高効率・無黄変性光重合開始剤を応用した高機能光重合型修復用レジンの開発
Project/Area Number |
19592208
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
有川 裕之 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90128405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 清治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10159105)
藤井 孝一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (60156817)
篠原 直幸 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (40136891)
松山 孝司 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (40253900)
村口 浩一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30295258)
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Keywords | 重合開始剤 / 吸収波長 / 可視光 / 審美性 / 色彩値 / 重合度 / 色調安定性 / 紫色LED |
Research Abstract |
本研究は歯科用光重合型レジン系材料の光増感剤として広く導入されているcamhorquinone(CQ)に替わる無(淡)黄色で高効率の重合を期待できる光重合開始剤を導入し、審美修復精度を飛躍的に高める高機能光重合型修復用レジンを開発することを目的としている。可視光波長吸収特姓および固有色を基準として導入可能として選定した3種類の光重合開始剤phenylpropadione(PPD)、monoacylphosphlne oxide(TPO)、bisacylphosphine oxide(Ir819)がレジンの重合前後の色調に及ぼす影響を検討した。これは選定した重合開始剤が淡黄色系の固有色を有すること、また重合反応時の変色がレジンの色調に影響することが避けられないためである。さらに歯科用レジン系材料は口腔内環境における吸水や解重合あるいは化学反応により経時的に色調安定性が低下し、当初の審美性が損なわれる可能性が大きいことから、ISO規格に準拠した方法で露光試験によるレジンの色調安定性についても検討した。露光試験は太陽光に近似した水銀ランプにより2週間露光させその問のレジンの色調変化を検討した。試験時の表面状態はSEM観察により把握し、色調変化と合わせて検討した。色調は分光透過率計を用いてCIEがL^*a^*b^*、sRGB値を測定し、これをもとに算出した色差値とともに分析した。その結果、新しい重合開始剤はCQを添加した場合と同等かまたはより高い重合度を示し、また色調についても、CQよりもレジンの色調に与える影響は著しく小さく、また経時的な色調安定性にも優れており歯科用光重合レジン材料の重合開始剤として重合効率と審美性との向上に大きく寄与することを確認した。
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Research Products
(4 results)