2009 Fiscal Year Annual Research Report
唾液中クロモグラニンを指標とした精神的ストレス量と口腔習癖の関連性
Project/Area Number |
19592242
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安部倉 仁 Hiroshima University, 病院, 講師 (30159454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貞森 紳丞 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40187167)
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Keywords | 唾液 / クロモグラニンA / 口腔習癖 / 精神的ストレス |
Research Abstract |
口腔習癖と精神的ストレスおよびTMD(Temporomandibular disorders)は相互に関連していることが指摘されているが、ストレス評価、口腔習癖の評価の方法論的な問題もあり詳細は不明である。客観性に優れて実施も容易な唾液中Chromogranin A(CgA)測定によりストレスレベルを定量的に評価することにより、被験者のストレス反能タイプと口腔習癖の関係について明らかにすること。咬筋の筋活動量を表面筋電図により測定し、精神的ストレス負荷により咬筋の活動亢進が誘発されるかについて検討すること。さらに、口腔習癖とTMDの症状や徴候との関連性について検討することを目的とした。 新たに作成した口腔習癖に関する質問表から,ブラキシズム習癖指数,噛みしめ習癖指数,歯の接触習癖指数を求めた。実験的ストレス負荷としては、クレペリンテスト(15分間)を課し,その前後での唾液を採取し,CgA濃度の測定を行い,タンパク補正後の値をCgA値とした。CgA値の増減率(%)から被験者を減少群,低増加群,高増加群の3群にストレス反応タイプを分類した。咬筋筋電図は片側の咬筋中央部に筋の走行と平行に双極誘導を行い、表面筋電図を導出し積分値を求めた。TMDの症状と徴候は質問表から自覚症状を調査した。 ブラキシズム習癖指数は,減少群および低増加群と高増加群との間に有意差を認めた(P<0.05).噛みしめ習癖指数では,低増加群は減少群および高増加群より低い傾向であった.歯の接触習癖指数は,低増加群と高増加群の間に有意差を認めた(P<0.05).実験的ストレス負荷により咬筋筋活動が増加する傾向が認められ、精神的ストレス負荷により筋の活動亢進が誘発される可能性が示唆された。口腔習癖を有する被験者はTMD症状と徴候を多く有する傾向が認められた。
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