2008 Fiscal Year Annual Research Report
麻薬性鎮痛薬および鎮痛補助薬が側坐核カテコラミン神経活動に及ぼす効果
Project/Area Number |
19592319
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高田 耕司 Nihon University, 歯学部, 専任講師 (00216657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三枝 禎 日本大学, 歯学部, 専任講師 (50277456)
藤田 智史 日本大学, 歯学部, 助教 (00386096)
大井 良之 日本大学, 歯学部, 教授 (60271342)
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Keywords | ノルアドレナリン / ドパミン / β受容体 / NA取り込み阻害薬 / reboxetine / 側坐核 / ラット / 脳微小透析法 |
Research Abstract |
青斑核などからのノルアドレナリン(NA)神経は,麻薬性鎮痛薬の作用部位として想定されている中脳辺縁系ドパミン(DA)神経の投射する側坐核へ入力している。側坐核のNA神経とDA神経との間には密接な機能的相互関係があり,この領域に分布するβ受容体の作動薬による活性化は同部位のDA遊離を増加する。一方,鎮痛補助薬として用いるNA取り込み阻害薬は細胞外間隙においてNAのみならずDAも増加するが,その発現機構としてNA取り込み機構を介したDAの細胞内移行の阻害の関与が示唆されている。しかし, NA取り込み阻害薬の示すDA遊離促進作用へ細胞外NA量の増加によるβ受容体の刺激が関わるか否かについては明らかでない。そこで本研究では,選択的β受容体遮断薬のpropranololを用いて,この薬物が選択的NA取り込み阻害薬のreboxetineの示す側坐核のDA遊離促進効果を抑制するか否かについて検討した。 実験にはSD系雄性ラット(体重約200g)を用いた。実験は無麻酔非拘束の条件下で行い,ラットの側坐核から脳微小透析プローブを介して回収した細胞外液中のNAおよびDAは, HPLC-ECD法で分離定量した。薬物はいずれも灌流液中に溶解し,脳微小透析プローブを介した逆透析で側坐核に局所灌流投与した。 その結果,側坐核の基礎NAおよびDA遊離はいずれも, reboxetine (1.2,12pmol)の灌流投与により増大した。基礎NAおよびDA遊離へ目立った影響を与えない用量のpropranolol (300,1200pmol)の灌流投与は, reboxetine誘発NA遊離には著明な影響を与えなかったが, reboxetine誘発DA遊離を強く抑制した。 以上の結果からreboxetineが誘発した側坐核のDA遊離亢進には,同部位において増加した細胞外NAによるβ受容体の活性化が関わる可能性が示された。
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Research Products
(2 results)