2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト舌癌の浸潤・転移能と病理組織診断:細胞異型と癌胞巣構造の3次元組織形態解析
Project/Area Number |
19592321
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
柳下 寿郎 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 准教授 (50256989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出雲 俊之 埼玉県立がんセンター, 臨床腫瘍研究所, 研究員 (80322709)
島津 徳人 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10297947)
佐藤 かおり 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (90287772)
青葉 孝昭 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (30028807)
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Keywords | 歯学 / 病理学 / 舌癌 / 立体観察 / 細胞異型 / 浸潤・転移 / 血管新生 / 診断基準 |
Research Abstract |
本研究課題では、腫瘍の生物学的特質を理解し、予後判定の科学的根拠を確立していくことを長期課題として、ヒト舌癌症例における組織要素を分画した立体構築と3次元形態計測、癌形質マーカの免疫組織化学による検索に基づき、組織形態パラメータと病態の予後とを対比する。初年度においては、病理診断と組織立体構築に用いる試料として、埼玉県立がんセンターにおいて保管されている検体・手術摘出材料(原発病巣と転移病巣)のうちから、病歴などの情報が揃っている舌癌全摘症例から3年を越えて所属リンパ節への転移を認めていない症例と3年以内に所属リンパ節転移をきたした症例を選び出し、手術摘出試料のパラフィン包埋ブロックより組織アレイ法を用いて観察対象領域(周囲の被覆上皮、癌化した上皮層、粘膜固有層と筋層での浸潤先端部、およびリンパ節転移例では転移病巣)を切り出した。癌胞巣と間質の分画および細胞増殖活性の評価に向けて、連続薄切標本にサイトケラチンとKi67による免疫二重染色を施し、画像解析システムにより上皮細胞質と核質を色調に基づき抽出したうえで、250-400画像を積層した立体構築像が得られることを確かめた。癌細胞のサイトケラチン陽性の細胞質容積、Ki67陽性/陰性の核数とそれぞれの核容積を3次元空間で計測することにより、細胞異型・構造異型パラメータとして核質の粒度分布とN/C比の分散、浸潤能の指標として孤立した胞巣数とそのサイズ分布についての定量解析法も確立した。これらの研究成果は学会発表するとともに、立体構築法については出版物およびWebで公開している。
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