2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯科保健指導が生活習慣病改善に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
19592421
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
井手 玲子 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 産業生態科学研究所, 助教 (70352325)
|
Keywords | 生活習慣病 / 医療費 / 糖尿病 / 介入研究 / 歯科保健指導 |
Research Abstract |
○縦断研究-糖尿病と医療費:歯科の視点からの検討 【対象および方法】某自治体職員4,100名(40-54歳)を解析対象とした。対象者を、2000年の糖尿病の既往歴および健康診断時の空腹時血糖の情報から、「糖尿病既往あり」「糖尿病」「境界域」「非糖尿病」の4群に分けた。入院、外来、歯科の医療費について、追跡期間中の利用率(%)、多重ロジスティック回帰分析により利用率のオッズ比、および分散分析により一人あたり調整済み平均年間医療費を算出した。【結果】入院については、非糖尿病群と比較して、糖尿病群と既往あり群で、医療費は3.0倍、3.8倍高かった(p<0.001)。外来については、既往あり群で医療費が3.0倍高かった(p<0.001)。歯科について統計学的に有意な差が認められた項目はなかったが、糖尿病群と既往あり群で歯科医療が高い傾向を示す一方、受診率は非糖尿病群が最も高かった。【考察】歯科受診は健康志向を反映しているようである。受診勧奨だけではなく糖尿病を有する就業者への職域における歯科のアプローチはさらに工夫することが必要であろう。 ○介入研究 (1)ベースライン調査:研究対象事業所の全従業員を対象とした質問紙調査を実施。質問項目には、歯科保健行動・口腔の自覚症状・食事頻度調査・食行動・既往歴を含む。回収数は519(回収率95%)であった。(2)3部署(78名)を介入群として選定、歯科医師による口腔内診査および歯肉溝バイオマーカー検査を行った。(3)6-7名のグループ単位での説明会、歯科衛生士による個別アドバイス、アドバイスシートによる参加者とのやりとりなど、セルフケア支援を重点とした継続的な介入を実施。(4)10月に介入群に対して実施した質問紙調査から、歯間ブラシ利用の増加、甘味飲料およびあめガムの摂取の減少、歯肉出血と食片圧入の自覚症状の有訴者が減少していることが確認された。
|
Research Products
(2 results)