2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯科保健指導が生活習慣病改善に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
19592421
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
井手 玲子 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 産業生態科学研究所, 助教 (70352325)
|
Keywords | 生活習慣病 / 糖尿病 / 歯周病 / 介入研究 / 歯科保健指導 |
Research Abstract |
○縦断研究-歯周病と糖尿病の罹患:7年間の前向き研究 歯周病が糖尿病発症のリスクファクターであるか否かについてのコホート研究はあまり多くない。30-59歳の健康診断と歯科健診を受けた5848名のベースライン時に糖尿病でない対象者について解析を実施した。解析対象者は、歯周ポケットなし、中等度歯周炎、重度歯周炎の3カテゴリーに区分された。糖尿病リスクに関係する因子(年齢、性別、喫煙、肥満、中性脂肪、高血圧、HDLコレステロール、γGTP)が、調整された。中等度と重度歯周炎は未調整の場合は有意なリスクの増加が認められたが、調整後は有意ではなくなった(中等度歯周病ハザード比(HR)=0.99、95%CI 0.77-1.29、重度歯周病HR=1.25、95%CI 0.87-1.81)。歯周病は中年期の日本人において歯周病発症の独立したリスク因子とは認められなかった。 ○介入研究-歯科保健増進プログラムの労働生活の質的向上(QoWL)の視点での評価 【目的】歯科保健増進プログラムのQoWLへの影響を評価するために介入研究が実施された。【方法】自動車用部品・材料の製造を主業とする企業の3つの部署が介入群として選定された。介入群には、グループオリエンテーション、個別歯科保健指導、通信アドバイスが実施された。74名の介入群(IG)と350名のコントロール群(CG)は開始時と1年後に質問紙に回答した。【結果】1年後には、口腔関連QOL指標の総合スコア、機能的な問題、困りごと&ハンディキャップの下位尺度スコアに両群間で有意な差が認められ、介入群がより良好な歯科関連のQoLであることが示された。1年間の歯科医院の通院状況に差はなかった。介入群では上司・同僚からのサポートの認知がやや良好な方向に変化していた。【結論】職場における歯科保健増進プログラムは労働生活の質的向上に寄与する可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)