2008 Fiscal Year Annual Research Report
仰臥位から座位への姿勢変化がもたらす脳活動からみた看護援助の検証
Project/Area Number |
19592440
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿曽 洋子 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (80127175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊部 亜希 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80452431)
新田 紀枝 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20281579)
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Keywords | 座位 / 姿勢 / 脳活性 / 自律神経 / 看護援助 |
Research Abstract |
【目的】仰臥位から座位への姿勢変化が大脳を活性化させるかどうかを生理学的・主観的な指標を用いて測定し、看護ケアとして有用かどうか検証を行うことが研究の目的である。健康成人については、姿勢を変化させることで大脳が活性化するとの結果が、研究者のこれまでの研究の中で得られているため、高齢者を対象とすることとした。【研究1】<方法>健康高齢者を対象に、基礎的な検証を行った。測定項目はベッド挙上角度70度と30度における脳波パワー値と主観調査である。70度は自力座位に近く、30度は臨床で用いられる角度であることより設定した。測定部位は国際10/20法に基づく、Fp_1(左前頭極部)、Fp_2(右前頭極部)、F_3(左前頭部)、F_4(右前頭部)、C_3(左中心部)、C_4(右中心部)、O_I(左後頭部)、O_2(右後頭部)の8点である。分析区間は仰臥位、座位1期、座位2期、座位3期の各5分間とした。挙上角度70度と30度のそれぞれにおいて仰臥位と各区間による比較を行った。また、角度間の比較も行った。<結果>70度座位に一部の測定部位で仰臥位と比較して有意な脳活性が認められたのみであり、有意な脳活性が全部位でみられた成人とはベッド上座位における脳活動が異なることが示された。【研究2】<方法>施設入所高齢者を対象に、臨床的な検証を行った。有意差の認められなかった30度での座位の検討は、椅子(車椅子)座位における検証に変更した。測定部位は研究1と同じである。認知症の被験者が存在したため、主観調査は実施せずに会話を行い、その部分の脳波データの解析を行うこととした。<結果>椅子座位のみに有意な脳活性が認められ、大脳を活性化させる看護ケアとしては、ベッド上よりも椅子座位への援助を行う方が望ましいことが示唆された。【意義】本研究の成果は、高齢者に座位姿勢援助を行う際の視点のひとつとして活用することができる。
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Research Products
(1 results)